19日午前零時、『BeOS R4J』の販売が東京・秋葉原のパソコンショップ“ぷらっとホーム”で開始された。秋葉原ではもはや定番となった真夜中のカウントダウン。同製品を購入するため集まったユーザー数は、前日の午後11時の時点で約50名ほど。最初の客足は鈍かったものの、午前零時のカウントダウンを求めて、全国から続々とユーザーが集結。その数は12時を過ぎても増え続け、最終的に300に近いユーザーが、同ショップに集まった。
待ち人全員にホットコーヒーが配られていた |
一方、店内には、午前零時の発売を待ちわびるかのように、BeOS
R4Jのパッケージが整然と並べられていた。また、カウンターには、同時発売される、統合ソフト『gobe
productive』の姿も。
ずらりと積まれたBeOS4 |
店内はBeOS一色 |
整理券を配ったので混乱はなかった。一番乗りの人を11時前後に店に招き入れたため、行列の後の人も入ってきてしまった。代金を零時前に4階で徴収し、商品は零時に3階で引き渡しということになった。
当初、売り場として設定された4階だけではあふれてしまうほど多くのユーザーが詰め掛けた。「Windows 98やMacOS 8.5の時よりも客が多い」とは店員の弁 |
「変人扱いされながらも、BeOSを扱い続けてきて良かった」、BeOSの日本総代理店であるぷらっとホーム(株)の代表取締役で、同ショップの経営に携わってきた本多弘男さんは感慨深げに語った。「今日京都で行なわれている、Linuxのユーザー会には900人もの人が参加したといいます。来年はOSはWindowsオンリーという状態が変化するかもしれない。BeIntel時代がこないとも限らない」
BeOSやLinux、FreeBSDなどの普及のため、草の根の運動に尽力してきたと自負する同氏だけに、今回、BeOS
R4Jが多くのユーザーに受け入れられてことは一際感慨深いことだったのだろう。
今回1番に駆けつけたのは千葉県松戸市にお住まいの室屋さん。お仕事は設計技師で、仕事ではWindowsマシン、自宅ではPowerMacintosh
9600を使用しているとのこと。「CADソフトを利用するためにWindowsを使っているが、基本的にWindows」は嫌いという室屋さん。BeOSは雑誌の付録として配布されたPreview
Release以来のユーザーで、音楽などを中心に活用したいとのこと。「MP3プレーヤーはすでに持っていて、楽しんで使っています」と語っていた。
本多社長からBeOSのロゴ入りTシャツをプレゼントされるのは、今回一番乗りの栄誉を獲得した室屋さん |
一番乗りの室屋さんは、Tシャツを掲げて自慢気だ |
本多社長と記念撮影 |
くじ引きでTシャツを獲得した3人 |
本多社長が自らレジで応対する場面も |
マニア色の強いBeOS。ノートパソコン持参で並んでいたのは、東京都世田谷区にお住まいの諏訪さん。「メーリングリストに実況中継のメールを流しているんです」と愛機の『ThinkPad
560Z』片手に気さくに話してくれた。しかし、インストールするのは自宅のデスクトップマシンだそうで、「余ったマシンを有効利用します。BeOSには、マイクロソフトに負けるなと応援したい!」と力強く語ってくれた。
ノートパソコン持参でカウントダウンに臨んだ諏訪さん。「アンチマイクロソフトですか?」という問いに力強くうなずいた |
高確率と書くだけあって、次から次へと当選者が出ていた |
店内はすごい熱気だった |
カウントダウンに訪れた人々の中には、、少ないながら女性の姿も見られた。静岡からやってきた杉山さんもその一人。「Macユーザーの彼氏から勧められて、BeOSを使ってみようと決めたんです。R4Jからは自宅の『FMV
BIBLO』にもインストールできると聞いて是非チャレンジしてみようと思っています」と、多少照れながら、初体験のBeOSへの期待を語ってくれた。
静岡から彼氏とやってきたという杉山さん。「BeOSでやってみたいことは?」という問いには、「R4Jで強化されたネットワークです」と答えてくれた |
12月の寒空の下での船出となったBeOS R4J。購入に集まったユーザーには、BeOSに縁の深いMacintoshユーザーに加え、新たに同OSの魅力を満喫しようとする、新規購入ユーザーの姿も目立ち、確実に同OSの裾野が広がっていることを実感させた。ユーザーの支えるOS。そんなBeOSの性格を改めて実感した瞬間だった。
レアもの!? Be User Group“非公認”Tシャツ |
Jean-Louis Gassee氏のサイン入りTシャツ(非売品) |
BeOSを買いにきた彼氏を一人外で待つ女性 |