ノベル(株)は、8日、『NetWare 5』の日本語版を発表した。今回の発表に先立って、同社プラットフォーム事業推進部船橋肇(ふなばしはじめ)氏に、NetWare
5の販売展開、これに伴うノベル全体の戦略について聞いた。
ノベル(株)のプラットフォーム事業推進部船橋肇(ふなばしはじめ)氏 |
----NetWare 5を発表なさいますね。
「日本では10月の発表を予定しております。現在β版を配布していますが日本国内では、8月の時点で既に7000セットを出しています。これと同時にアンケートを取ったのですが、この中でわかってきたのがサーバーに求められるものが安定性、信頼性、高性能というあたり前のことのほかに、管理が容易にできることだとわかりました」
「ネットワーク管理者の70パーセントが何らかの形でネットワークの管理ツールを入れていることがわかっています。これはネットワーク管理ツールの需要があること、受け入れられる土壌ができたということでしょう。私たちはTotal
Value of Networkという言いかたをしていますが、NetWare 5によりネットワーク全体を統合的に管理する環境を提供し、TCOの削減とともに、より高い付加価値をもったネットワーク環境を提供します」
----サーバーOSとしてはWindows NTとの対抗がありますね。
「Windows NTと対抗していくことは現在は考えていません。むしろWindows
NTの不足している部分を補っていきます。NetWare or NT (OR UNIX)ではなくNetWare
and NTということです。これだけWindows NTが普及した現在ではNTを否定することは無理です。逆に、NTの普及によってネットワークを管理することの重要性をわかってきたようにも思えます。当社としてはNetWare
5をネットワークプラットフォームとして、ネットワーク全体にフォーカスしたものとして販売していきます。ネットワークこそがノベルの強みだといえるでしょう」
----NetWare 5はどのように販売していくのでしょうか。
「NetWare 5の最大の売りはNDS(Novell Directory Service)です。まずはNDSの利点を理解してるIntranetWare
4.xのユーザーに対して売り込んでいきます。NetWare 3.xのユーザーからはファイルアンドプリント(サーバーでのファイルの共有とプリンターの共有)で十分といわれかねません。しかし、NetWare
3.xの場合プリンタサーバーを立ち上げてドライバーを入れなければいけなません。NetWare
5ならばプリンターをつなげるだけでドライバーのダウンロードも自動的にやってくれます。こういった利点をアピールしてNetWare
3.xのユーザーにもNetWare 5を売り込んでいきたいと思います」
「また、日本では事前に導入事例があるほうがユーザーが安心して買ってくれるので、そういう事例を用意しています。さらに現在、IntranetWare
4.xを買った人にたとえば50ユーザー版を買ったら、NetWare 5をリリースにするときに100ユーザー版にアップグレードするキャンペーンを展開しています。日本では25から50クライアントの規模を管理しているだけの環境が多いですが、NetWare
5によって全社的なネットワークを構築、活用してほしいですね」
----NetWare 5からはGUIを採用しますね。
「UNIXの世界のX Window Systemを移植して、GUIベースのサーバーが構築できるようになりました。従来のキャラクターベースだけだと『ああ、DOSですね』と言う方が結構います。GUIのほうが見た目にはいいですから、売るためのメリットとしては大きいです。メモリを圧迫はしますが全体的なパフォーマンスに影響ありません」
----NetWare以外の製品は今後どのように展開するお考えですか。
「現在ではNetWareとそれ以外の製品の比率が8対2くらいですが、今後はNetWare以外の製品も積極的に販売していきます。どの製品もネットワークに関連した製品ですから、NetWareとあわせてトータルなソリューションを提供していきます」
『NetWare 5』を中核にNDS製品に注力していくというノベル。同社の生き残りをかけた戦いは始まったばかりだ。