(株)エヌ・ティ・ティ エムイー(NTT-ME)は6日、日本オラクル(株)とASP(Application
Service Provider)事業で提携したと発表した。NTT-MEは同日、同社の100パーセント子会社9社に対し、日本オラクルのERP(Enterprise
Resource Plannning)ソフト『Oracle Applications』の機能の一部をネット経由で提供するASPサービスを開始、他企業への営業活動も始めた。NTT-MEは9月にデータセンターを開設し、ASP事業へ本腰を入れる。
ASP事業での提携を発表するNTT-ME取締役第5マーケティング本部長の和佐野哲男氏(右)と、日本オラクル取締役営業統括本部長の石井洋一氏 |
提携では、日本オラクルがOracle Applications本体とそのサポート、技術支援を提供。NTT-MEがホストとなり、同ソフトをネット経由でユーザー企業に利用してもらうASP事業を運営する。当面はOracle
Applicationsのうち『統合会計』のみの提供で、今後はCRM(Customer
Relationship Management)やSCM(Supply Chain Management)も提供していく方針という。
NTT-MEでは4月からASP事業“ME WAVE ASP”をスタートさせ、同社子会社製のグループウェアを企業向けに提供している。Oracle
ApplicationsはME WAVE ASPのメニューのひとつとして加わる。利用料金は月額10数万円を予定し、このほか初期費用として200万円程度が必要になるという。
ASP事業の展開に合わせ、NTT-MEでは9月に“MEデータセンタ”を開設する。同センターは東京都江戸川区内に設けられ、延べ床面積は5000平方m。同社の最大600Mbpsの広帯域IPバックボーン“XePhion2000”と直結してユーザーにVPN(Virtual
Private Network)環境を提供する。またコールセンターをセンター内に開設し、常駐エンジニアがユーザーの問い合わせに応えるほか、“カスタマ・サービス・センター”を併設し、24時間監視サービスやユーザーへのオンサイト補修サービスを提供する。
ASP事業のターゲットは、自力によるIT投資の負担が重い中堅企業。同社ではASP事業とデータセンター事業を軌道に乗せ、2002年度には各事業で50億円ずつ、合計100億円の売上を目指している。
都内で開かれた記者発表会で、NTT-ME取締役第5マーケティング本部長の和佐野哲男氏は、「NTT-MEはシステムとIPインフラ、さらに保守サービスをワンストップで提供できる」と同社の強みを強調。バックボーンから保守管理まで一貫して提供できるメリットを活かし、他社との差別化を図っていく方針という。