(株)アスキー・ネットワーク・テクノロジー(ANT)は、1月24日付けで社名を“(株)アスキー・エヌ・ティ”(略称:アスキーNT)に変更すると発表した。併せて、新社長に同社前専務取締役の小林亮一氏が就任することを発表し、都内ホテルで発表会を開催した。
アスキーNTは、(株)アスキーとマイクロソフト(株)を中心に、(株)NTTデータ、(株)CSK、(株)日本興業銀行の出資により'94年6月に設立された。出資比率はアスキーが50.1パーセント、マイクロソフトが19.9パーセント、NTTデータが15パーセント、CSKが10パーセント、日本興行銀行が5パーセントとなっている。
同社では、日本におけるWindows NTの普及を目的に、対応ソフトウェア開発やコンサルティング事業、技術教育、リモート保守事業を行なっている。
発表会場には、CSKの会長でアスキーNTの会長も兼任する大川功氏と、マイクロソフトの社長でアスキーNTの副会長を兼任する成毛真氏が出席。また、新社長に就任する小林亮一氏、および小林氏の就任に伴い社長から副会長となる西和彦氏も顔をそろえた。そのほか、アスキーNTで常務取締役事業部長を務める熊澤幸生氏、マイクロソフト取締役でビジネスソリューションズ事業部長の東貴彦氏も出席し、アスキーNTの役員が勢ぞろいすることとなった。
左から大川氏、成毛氏、西氏 |
左から小林氏、熊澤氏、東氏 |
マイクロソフトとともにNo.1を目指す
新社長に就任する小林氏は、「名前を読みやすく、わかりやすくしようと、(株)アスキー・ネットワーク・テクノロジーから(株)アスキー・エヌ・ティと変えた。アスキー=PC、NT=ネットワークテクノロジー、この2つを合わせたもの」と、社名変更の狙いを説明した。その上で、「新生アスキーNTはマイクロソフトと共に、No.1のWindows 2000システム構築/コンサルティング会社を目指す」と宣言。「Windows 2000は3年間待った本命のOS」であるとし、「インターネットが爆発し、企業に100年に1度の大革命が起こるだろう。2000年と2001年の2年間にどう対応するかで勝負が決まる」と、今後の見通しについて言及した。
新社長の小林氏「強固な新体制で21世紀のインターネットビジネスに挑戦したい」 |
会長の大川氏「これまでアスキーとマイクロソフトが中心となってアスキーNTの事業を展開していたが、今後はCSKも力を入れてさらなる発展を目指す。また、2000年に株式公開したいと考えている。新生アスキーNTで、さらに皆さんのお役に立ちたい」 |
副会長の成毛氏「これまでアスキーNTは縁の下の力持ち的な存在で、世間一般にはあまり知られていなかったように思う。今後は、Windows 2000の教育およびサポート、SQLなどのBackOffice開発支援サポート、ラボの運営などさらに大きな仕事をしてもらおうと考えている」 |
今後はWindows 2000を事業の核に
アスキーNTは今後、Windows 2000のシステム構築およびコンサルティングを中心に事業を展開していく。また、2000年中の株式公開も目指しているという。具体的なビジネス展開として、企業向けに各種技術支援やトレーニングを行なう施設“Windows 2000 Application Compatibility Lab(Windows 2000 ACL)の運営を、'99年11月1日に開始している。また、マイクロソフトの協力により、Windows 2000や最新のBackOffice製品を利用したシステムを企業ユーザーが体験できる施設“SQL Server Hi-Availability Center(SQL Server HAC)”の公開を行なうほか、BizTalkに関する情報を提供するウェブページ“BizTalk.org”日本語サイトの構築と運営を行なう。
SQL Server HACは、ハードウェアベンダーやシステムインテグレーターと協業し、ユーザーに最新技術や製品を利用したシステムを体験してもらうための施設で、1月13日に企業ユーザー向けに公開する。また、大規模な基幹業務処理を想定し、Windows2000やSQL Server7.0/2000などで構築したデータセンターの信頼性やスケーラビリティー、パフォーマンスを実証する施設“Microsoft Enterprise Computing Lab”を併設する。同Labは、2000年の夏から秋に完成の予定だ。