主役はデジタル家電とネットワーク
いよいよ開幕したCOMDEX/Fall'99。天気は快晴。朝から開場を待ちきれない多くの人々が会場に押し寄せた。メイン会場のLasVegas
Convention Centerには、日本の家電メーカーが昨年同様、大きなブースを展開した。これはIBMやDELL、アップルコンピュータ、Intelなど米国メーカーなどがCOMDEXから、あるいはブース展示から撤退したあと顕著になってきた光景だ。特に東芝は一昨年からIBMの跡地(入り口近くの一等地)に大きなスペースを確保して、膨大な製品群を展示しているし、三洋電機もここ3年ほどの間スペースを拡充し続けており、今年はプロジェクタやデジカメに大きなスペースを割いていた。
日本メーカーのロゴが目立つメイン会場。各社とも大きなブースを構えた |
三洋電機やオリンパス、富士写真フイルムのブースではデジタルカメラが人気。日本人来場者のデジカメ携帯率はかなりのものだったが、米国人の中にも所有率が増えているようで、会場のあちこちで見かけた。それゆえこれらのメーカーにも大きな注目が集まったようだ。また、日本メーカーと韓国メーカーのお家芸になりつつあるDVDや液晶テレビ、PDP、大画面プロジェクションテレビなどいわゆるAV家電は、日本人には先日のエレクトロニクスショーと内容が重なるものが多かったにもかかわらず、多くの人が熱心に説明を聞いていた。
パイオニアはIEEE1394で接続したAVネットワークのデモをおこなった。奥に見える端末でデータの流れを制御する |
日立のDVDカメラ。3.5インチのDVD-RAMを使用する。エレショーで展示されたものと同じもの。 |
USB製品を集めたUSBパビリオンに展示されていたIntel製の顕微鏡。IntelPlayというブランドで発売される予定。200倍までの拡大像をUSB経由でパソコン上で見ることができる。 |
SAMSUNGの液晶パネル付きMP3プレーヤー。JPEGやテキストデータを表示することができる |
LG Electronicsが開催したデザインコンペの入賞作品。液晶パネルを合体させることで解像度を増やすことができ、ブロックを組み合わせることで機能を追加することができる |
その反面、やや規模を縮小したのがソニー。というより展示の内容をメモリースティックやネットワーク関連に絞って、VAIOパソコンの展示を減らしていたのだが。それでも巨大なシアターを設置し、“ソニースタイル”のイメージ映像を見せるなど売り込み方はさすが。メモリースティックの活用方法を連続して見せ、「これがソニーのスタイル」とやって上映が終わり、スクリーンが持ち上がるとブースが待っているといった趣向だ。一方でパイオニアのように初お目見えになるAVネットワークシステムのデモを行なうメーカーもあるので気が抜けない。昨年まで大きなブースを構えていた松下電器や富士通はメイン会場からクローズドのルームに場所を変えて、カスタマーやプレス向けのブリーフィングを行うにとどめていた。
メモリースティック(MS)ウォークマンに続くシリコンプレーヤー『Music Clip』。フラッシュメモリー埋め込み型のプレーヤでMSウォークマンに比べてペン型の筐体は単3電池を3本ほど並べた非常にコンパクトなもの。動作時間はMSウォークマンよりも長く、価格も多少安くなる模様だ。来年1月の発売が予定されている |
ソニーはi.LINKのAVネットワークシステムのデモを行なった。右がホームサーバー、上にHDDレコーダー、下がMDチャンジャー。これにDVカムコーダーをつないで、データの流れをコントロールするもの |
初日をオーバービューしたところでは、SAMSUNGとLG Electronicsの韓国メーカー2社の展示が非常に印象的だった。明日以降のレポートで詳しく触れたいと思う。