富士通(株)と米チボリシステムズ社は17日、ITシステムの運用管理分野において同日付けで戦略的提携を結んだ、と発表した。富士通の運用管理ソフトウェアに、チボリ社の統合管理システムとの連携機能が追加されるほか、ソフト間の連携を高めるための技術提携も行なう、としている。
提携を発表した富士通取締役の前山淳次氏(左から2人目)と、チボリ上級副社長のイェリン氏 |
提携内容は、システムの自動運転などを行なう富士通の運用管理ソフト『SystemWalker/OperationMGR』『SystemWalker/PerfMGR』に、チボリ社の企業システム管理パッケージ『Tivoli
Enterprise』との連携機能を追加。Tivoli Enterprise上から、SystemWalkerを使用してシステム管理を行なうことができ、その分管理コストを抑えることができるという。
富士通はSystemWalkerのファミリー製品として、チボリ社の『Tivoli
Storage Manager 3.7』のOEM販売を行なう。Tivoli Enterpriseへの導入を容易にするコンポーネント『Tivoli
Management Agent』を、富士通が開発中のストレージ製品にバンドルすることも予定されている。
チボリ社のパートナープログラム“チーム・チボリ”に富士通も参加し、両社の製品の統合を図っていく。連携を強化するため、富士通と、チボリ社の日本法人である日本チボリシステムズ(株)との技術協力も始まっているという。
チボリ社はシステム運用管理分野の大手として、世界市場で23パーセントのシェアを占めているという。富士通としてはチボリ社と提携することで、特に海外における自社製品の販路を拡大する狙いがある。
発表会で、富士通取締役の前山淳二氏は、「チボリ社の製品はワールドワイドで支持されている。ネットワークにおいては接続性が重視されており、広く使用されている製品との連携を求める要望が多い。1社ですべてを提供していたメインフレームの時代から、インターネットの時代に移った。ベンダー間で良い製品を相互補完しながら提供していくということだ」と提携の狙いについて語った。
チボリ社上級副社長のボブ・イェリン(Bob Yellin)氏は、「戦略的提携の第1歩だ。チボリは各ベンダーと手を携えて開発を進める点に強みがある。今回の提携で、ユーザーに対し単独ではなしえなかったサービスを提供できる」としている。