【詳報】ロータス、センティアス、CSIが、英文に自動的に日本語注釈を付加する『RichLink Automate』のドミノ対応版とWindows NT対応版を発表
1999年07月29日 00時00分更新
ロータス(株)、米センティアス社、シーエスアイ(株)は、英文のテキストやワープロ文書などに、日本語の注釈を自動的に付加して“RichLink(リッチリンク)”文書に変換するシステム『RichLink
Automate』の、『ロータス ドミノ』対応版『RichLink Automate for Domino』と、Windows
NT対応の『RichLink Automate for Windows NT』を8月と9月に発売する。
RichLink Hyperlink System
RichLink Automateで使われている技術は、『RichLink Hyperlink System』と呼ばれる技術で、センティアスが開発したもの。RichLinkでリンクが張れるものは、今回の日本語注釈のようなテキストだけではなく、画像や音声、映像ファイルも扱える。1つの文章/ページに対するリンク数は無制限で、このリンク情報自体のデータ量は少なく、元の文章/ページデータ量の1~2パーセントですむという。また、htmlで利用されるハイパーリンクと異なり、1つの対象に複数のリンクを指定することもできる。クライアント側はウェブブラウザーへのプラグインなど、ビューアーを用意するだけですむという特徴も併せ持つ。このリンク作業は従来、手作業で行なわなくてはならなかったが、英語文章の自動文法解析機能と辞書をデータベースとして持たせることで、自動的にRichLink文章を生成できるようにした製品がRichLink Automateになる。
RichLink Automate for Domino
RichLink Automate for Dominoで作成されたRichLink文書をノーツクライアントで開いたところ |
RichLink Automate for Dominoは、ロータスノーツ/ドミノ環境にある英文ファイルのRichLink化を行なう、ドミノサーバーのオプションソフトウェア。ロータススクリプトやエージェントといったドミノサーバーの機能を利用し、24時間自動的に英文ファイルのRichLink化処理が可能。ノーツメールのメール箱をモニターして、新着(英文)メールに対してRichLink処理を行なうこともできる。
メリットとしては、ドミノ版に限ったことではないが、クライアント側に個別に辞書を持たないため、辞書データベースをカスタマイズすることで、個別の辞書では不可能な膨大な用語や情報の利用が可能、辞書データベースの更新時にアップデートやメンテナンスの手間がかからないことなどがあげられる。
ロータスは『RichLink Automate for Domino v.2.2』(基本パッケージ:1サーバーライセンス、研究社新英和中辞典エンタープライズ・ライセンス100クライアント分)(170万円)を8月23日に発売する。基本パッケージには、ノーツクライアントとウェブブラウザーで使用する『RichLink
View Plug-In DLL』、RichLink文書の作成ツール『RichLink Author』が含まれる。RichLink化された文書を見るためのクライアントライセンスはフリーとなっている。
辞書データベースとしては、研究社新英和中辞典以外に、研究社リーダーズ+Plus、American
Heritage Dictionary Deluxeほか、科学、医療、法務用語辞典が提供される予定。'99年第4四半期には、ユーザーが独自のRichLink注釈データベースの構築も可能な『RichLink
Author Pro』が発売予定。
ウェブベースの会議システムのページをRichLink化したもののデモンストレーション |
RichLink Automate for Windows NT
RichLink Automate for Windows NTはWindows NTのサーバー・クライアント環境で動作し、バックグラウンドでRichLink文書を作成するアプリケーション。ビューアーとして、プラグインソフトを組み込んだウェブブラウザーのみがサポートされる点が、RichLink
Automate for Dominoと異なる。ウェブベースでの利用となるため、シーエスアイが販売する『RichLink
Automate for Windows NT』基本パッケージには、1サーバーライセンスのほか、研究社新英和中辞典のウェブ出版ライセンスが付属する。価格は200万円で、9月下旬発売予定。シーエスアイの常務取締役内田和弘氏は「英語の医療関係サイトに対応したRichLink製品の計画を、ある大手メーカーと進めている」こと、また「現在は英語to日本語だが、センティアスと共同で日本語to日本語の製品を開発中」であることを明らかにした。