【NetWorld+Interop 99 TokyoレポートVol.9】スリーコム、11Mbps無線LAN製品『3Com AirConnect』を発表
1999年06月03日 00時00分更新
スリーコム ジャパン(株)は、千葉・幕張メッセ近くのホテルで記者発表を行ない、データ転送速度11Mbpsの無線LAN製品『3Com
AirConnect』と、同社の無線ネットワーキングに関する今後のロードマップの初期計画を発表した。
NetWorld+Interop会場でデモンストレーションされていた『AirConnect』のアクセスポイント。上の取手のような部分がアンテナ |
このAirConnectはIEEE(アメリカ電子工業会)で標準化を目指して審議中のIEEE
802.11 HR(High Rate)規格に沿った製品で、10BASE-Tネットワーク並みのデータ転送が可能なもの。なお、現在の無線LAN標準であるIEEE
802.11は'97年に勧告されたもので、データ転送速度は2Mbps。IEEE 802.11
HRは、今年の11月にも正式版が勧告される見込みであるという。
米スリーコム社のアジア・パシフィック地域担当プロダクトマーケティングマネージャー、カート・オルセン(Kurt Olsen)氏 |
AirConnect製品は、Ethernetに接続するアクセスポイント、ノートパソコン用のPCカード型NIC(ネットワークインターフェースカード)、デスクトップパソコン用PCIカード型NICの3つのハードウェアと、ネットワーク管理ソフトウェアの4製品で構成される。アクセスポイントは既存のEthernetとクライアントのブリッジとして機能し、半径200フィート(約61m)以内のユーザーとデータの送受信ができる。最大ユーザー数は63クライアント。実際の製品は秋に発売予定で、価格は未定ながら、アクセスポイントがおよそ1800~2000ドル(約21万8000~24万2000円)、NICは2種類ともおよそ400ドル(約4万8000円)になると明らかにされた。
同社では「これらの無線LAN製品は従来の製品の置き換えではなく、新しい市場向けの製品」(カート・オルセン氏)と述べ、既存の有線製品と住み分けるといったものではないことを強調した。
また、同時に発表されたロードマップによると、'99年春にキャリアー向けの『3Com
Total Control InterWorking Function』、'99年夏に『PalmVII』(米国、日本での提供は未定)、'99年秋に企業向け『3Com
AirConnect』、'99年冬にSOHO向け高速無線LAN製品、2000年春にBluetooth*テクノロジーによる無線PAN(Personal Area
Network)と、無線製品を矢継ぎ早にリリースすることが明らかにされた。