(株)ホテル小田急は、同社が東京・新宿で運営しているホテルセンチュリーハイアットにおいて、4月1日から一部の客室にインターネットアクセスシステムを導入する。ハイアット系列の“ゴールド・パスポート”メンバーなど、特別会員が利用できる235室限定でのサービス。利用料金は1日あたり2200円で、使用時間は無制限。
今回導入されるシステムの“RINKS(Rikei Internet Access System)”は、(株)理経が設計・運営を担当するもの。同システムでは、既存の電話回線を容量1MBの回線として利用することでLANを構築している。これは米TUT
SYSTEMS(タット・システムズ)社が開発した『HomeRun』というシステムで、サーバー用ソフトには米ATCOM/INFO(アトコム/インフォ)社の『IPORTサーバーシステム』をベースに構築されている。RINKSの利用にあたっては、10BASE-TのEthernetに接続できるノートパソコンを使用することになる。
『IPORTサーバーシステム』には“IPスプーフィング”という機能が搭載されている。これは、企業などで使用しているノートパソコンに割り振られたIPアドレスを、そのままホテル内のLANで使用できるというもの。ホテルのLANから外に出る際は、ホテルのサーバーに設定されたIPアドレスに変換されるようになっている。この“IPスプーフィング”の機能によって、宿泊客はパソコンの設定やソフトを変更することなく、インターネットや電子メールを利用することができる。データ転送速度は、256~512Kbpsになるという。
アメリカでは、ヒルトンホテルが系列ホテル全室へのインターネットアクセスシステム導入を予定するなど、ホテルでの接続環境は整備されつつある。それに対し日本では、未だに電話線がモジュラージャックになっていないホテルすら珍しくない。だが今回、ホテル激戦区の新宿においてメジャーホテルのセンチュリーハイアットが先陣を切ったことにより、これからインターネットアクセスを売り物にするホテルが増えてくることが期待できる。