画面左から、日本電気(株)ホームマルチメディア開発本部長代理・柳瀬和夫氏、メディア教育開発センター助教授・浜野保樹氏、NTTラーニングシステムズ(株)インターネット事業部インターネットソリューション第1部長・藤澤弘一氏 |
日本電気(株)とNTTラーニングシステムズ(株)は、記者会見を開き、インターネット上での3Dコンテンツの普及や利用の推進を目的としたコンソーシアムの設立を発表した。
この“日本SVRコンソーシアム(略称:JSC、会長:浜野保樹・メディア教育開発センター助教授)”は、スローガンとして、SVR(Super
Virtual Reality)を掲げている。これは、3Dコンテンツの新たな規格を模索するためのコンセプトとでも言うべきもので、JSCが独自に提唱するもの。
現在のところ、コンテンツの作成には英SuperScape社が開発し、NECが販売している3Dコンテンツ作成ツール『3D
WebMaster』を採用している。ただ、これは正式採用ではなく、今後、さらに有用なツールや規格が提案されれば、そちらへの移行も視野に入れているという。3D
WebMasterは、VRML2.0で作成した約500KBの画像を、約120KBにまで圧縮可能という。
JSCの主な活動としては、
(1)3Dコンテンツに関する情報を取得、交換するための「仮想モール」を3Dコンテンツで作成し、JSCホームページ上で提供する
(2)コンテンツ制作者、コンテンツプロバイダー、オーサリングツール開発者、ハードウェアメーカー、ネットワーク事業者、一般ユーザーなどから幅広く会員を募り、3Dコンテンツの普及を図る
(3)会員間の情報交換のためのセミナーや、JSCメールマガジンの提供、3Dマルチメディアコンテンツ制作コンテストなど、各種イベントの実施
などを予定している。
組織は、運営委員会、事務局からなり、運営委員会は運営にかかわる企画や調整、方針の決定を、事務局は具体的な運営を担当する。また、年に1度、活動内容の報告や総合調整を行なう総会を開催する。
会員は、企業法人を対象とした賛助会員、大学、研究所などを対象とした学術会員、これらを除く個人、団体が対象の一般会員で構成される。年会費は、それぞれ一口10万円、5万円、1万円となっている。JSCでは、2年間で賛助会員100社、一般会員5万人を目標にしている。
JSCホームページは本日開設され、活動内容や会員一覧、仮想モールなどから構成される。コンテンツの制作を、NECおよび同社が運営するインターネットサービスプロバイダーのBIGLOBEが行ない、ホームページの運営をNTTラーニングシステムズが担当する。
仮想モール内には、賛助会員となった企業のブースが設置され、最新情報などが提供される。ユーザーは、モール内を実際に歩いているような感覚で、自由に各ブースを訪問できる。また、モール内を、昼間は明るく、夜は時間とともに暗くなるような効果を盛り込むなど、訪問者を楽しませる工夫がなされている。ホームページの閲覧は無料。
JSCホームページ上の仮想モール |
会長に就任した浜野氏は、「JSCは、3Dコンテンツに関する民間の非営利団体としては、日本で初めての試み。今後のインターネットの主流は3Dコンテンツになると確信しており、今回の発足の意義は大きい。会員と協力して、JSCをぜひ盛り上げていきたい」と語った。