昨日開幕した“日本CG文化フェスティバル”で、CG作品コンテストの授賞式が行なわれた。
“SGI 2000 Club賞”は、(株)イエローの矢吹誠さん制作によるアニメーション作品“Chameleon ~vicious-spiral~”。登場するキャラクターは、カメレオンと昆虫。カメレオンは昆虫を捕らえようと長い舌を伸ばすが、昆虫はひょいっとその舌をかわし、馬鹿にしたようにお尻を振る。30秒と他の作品に比べて短い作品だが、わかりやすいテーマと昆虫のコミカルな動きに、会場からは笑い声も。
矢吹誠さんの“Chameleon ~vicious-spiral~”。 |
キャラクターのリアルさも高い評価を受けた。審査員の塚本聡氏も、視覚効果を作り込んでいる、ひとつのテーマに的を絞っていることなどを評価、「将来性がもっとも感じられる作品」とコメントした。当の本人、30日間、ほとんど寝ないで制作したそうで、「長い作品には飽きるものが多いと感じていた。もう少し見てみたい、と思えるような作品にしたかった」と話した。
矢吹さんには日本シリコングラフィックス・クレイ(株)のワークステーション『O2』および3DCG作成ソフト『Alias
Power Animator V.8.0』が贈られた。
“NTT賞”の発表も行なわれた。受賞者は森野和馬さん(ストライプファクトリー)、松原英二さん(東京造形大学4年生)、今村昌二さん(Age
Studio)の3名。森野さんは'97年夏に行なわれた“MotionGraphics'97展”のオープニングアニメーションでの受賞。カメラワークのよさが特に評価された。松原さん、今村さんの2人は、いずれも静止画の連作での受賞。松原さんは大阪会場に来場、TV電話を通じての授賞式となった。
左から順に、森野和馬さんの“Motion Graphics'97展オープニング”、松原英二さんの“Polygons(赤の融合)”、今村昌二さんの“Ohzora”。 |
賞品は、TV電話システム『Phoenix mini』1セット(2台)。森野さんは、「一緒に使う相手を探したい」と照れ笑いしていた。(報道局 浅野広明)
・NTT
http://www.gsquare.or.jp/CG
・SGI 2000 Club
http://www.sgi.co.jp/s2c/index.html