(株)ジャストシステムは、Java環境で使用可能なクライアント/サーバー型かな漢字変換システム『ATOK
Server』を発表した。
IM(Imput Method)サーバー側は、WindowsNTのほか、UNIXでは、SolarisやAIXなどに対応し、かな漢字変換を行なうIM
Engineと辞書を搭載している。これによって、バージョンアップや辞書の変更などの作業の負担が軽減される。またユーザー別辞書をサーバー側に置くことで、個人の入力環境も確保できるという。キー情報や表示内容、確認にかかるネットワークのトラフィックは、TCP/IPのパケットの2往復ぶん。ユーザーはネットワークによる負荷を気にせずに、同製品を利用できる。また使い勝手や変換能力も従来製品と同じだという。
同システムは分散型のIMのための規格のIIIMP(Internet-Intranet Input
Method Protocol:トリプルアイエムピー)を採用。IIIMPは、日本サン・マイクロシステムズ(株)と同社がインターネット技術の標準化を促進する団体IETF(Internet
Engineering Task Force)に今年提案する予定のもの。JavaOS1.1以降を搭載したNCや、JDK(Java
Development Kit)1.2以降のJava VM(Virtual Machine)に対応する。商用化を考慮したプロトコルで、IMメーカーが独自のUI(User
Interface)を定義できる。UIとは、通常ワープロソフトなどの使用時にディスプレイの右下に出てくる変換用の細長いツールバーのことで、従来OSに依存していたUIがJavaで記述されている。また接続しているユーザー数をカウントしてライセンス管理もできる。さらに特定の言語に依存せず、UNICODEでの各国語をサポートする。
ATOK Serverは、XIM(X Input Method)プロトコルにも対応し、X端末もクライアントとして利用できる。またWindows95/NTやMacintoshが搭載されたPCも、同社が配布する予定の専用ドライバーによって対応可能になる。これにより既存のWindowsやMacユーザも含めて、C/S型の利点である環境の統一や管理の容易さを実現し、“ATOK
Anywhere”を合い言葉に、どの端末からもATOKを使える環境を構築できるとしている。
実際に提供される場合は、『ATOK Server for WindowsNT』、『ATOK Server
for Solaris』という形になるという。また製品化されるのは、日本サン・マイクロシステムズがJDK1.2を正式にリリースする第2四半期(4月から6月)。2月4日から幕張で開催される日本サン・マイクロシステムズ主催の“100%
Pure Java Day”の同社ブースでデモが行なわれる。(報道局 若名麻里)
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