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サン・マイクロシステムズ(株)の戦略

「StarOffice」の日本語版「SunOffice」は、年明けにリリース予定

2000年08月29日 07時55分更新

文● 関 博之

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 ターボリナックス ジャパン(株)(以下ターボリナックス)は、8月22日ダイヤモンドホテル(東京都千代田区一番町25番地)で「Turbo Linux月例ソリューション戦略セミナー」を開催した。このセミナーは月1回の予定で行なわれ、先月から始まったもの。2回目となる今回は、ターボリナックスの業務内容および製品紹介が行なわれた。後半はLinux上のオフィススイートについての紹介をサン・マイクロシステムズ(株)、(株)メディアヴィジョン、米VistaSource, Inc.、(株)ジャストシステム、(株)アトラクスが行なった。
 日刊アスキーLinuxでは、後半のLinux上のオフィススイート紹介を数回にわけてレポートする。まずはサン・マイクロシステムズの「StarOffice」発表の模様を紹介する。

サン・マイクロシステムズ(株)ソフトウェア事業部部長纐纈昌嗣(こうけつまさつぐ)氏の講演

サン・マイクロシステムズ(株)の「StarOffice」戦略

 「StarOffice」は、米Sun Microsystemsが独StarDivisionを買収し、ソースコードを配布している製品だ。これは、Linux上のオフィススイートとして広く使用されている商品で、StarDivisionの本拠をおくドイツでは、Sun Microsystemsによると、「StarOffice」のユーザーは4割のシェアに達するとのことである。

 壇上にはサン・マイクロシステムズ(株)ソフトウェア事業部部長である纐纈昌嗣氏が立った。まず、「StarOffice」(日本語名称「SunOffice」)を扱う目的が、ソフトの販売によって利益を得る事にあるのではなく、最終的にサン・マイクロシステムズのサーバ製品購入につながることを見越していると説明した。

 「StarOffice」の次のステップについてだが、GUI部分をJavaで作成し、最終目標はインターネットベースのオフィスシステムにしていくことだという。つまり今までのクライアント側のハードディスクに、自分の使うオフィススイートをおいておくというものではない。オフィススイートのデータはサーバ側にあり、クライアントはそのデータをブラウザ上で使うことになるという。
 このような、新しいパラダイムを世の中に広げていき、Microsoft Officeの独占市場を打破していきたいとのことだ。

「StarOffice」の機能

 次に同氏は、この製品はMicrosoft Officeとほぼ同じルック・アンド・フィールをしている(「StarOffice」の表計算ソフトでは、マクロ部分が「Microsoft Excel」と違う)と述べている(Windowsと同じくスタートボタンも付いている)。これは今や多くのエンドユーザーが、Microsoft Officeの操作体系になれてしまっているからで、なれ親しんだルック・アンド・フィールと違うものは、市場に浸透しにくいだろうというのがその理由である。

 StarOfficeとMicrosoft Officeのアプリケーションの対応を見てみると、

  • 「StarOffice Writer」: ワードプロセッサ……Microsoft Word
  • 「StarOffice Calc」: 表計算ソフト……Microsoft Excel
  • 「StarOffice Impress」: プレゼンテーションソフト……Microsoft PowerPoint
  • 「StarOffice Draw」: グラフィックソフト……Microsoft PhotoDraw
  • 「StarOffice Schedule」: スケジュール管理……Microsoft Outlook
  • 「StarOffice Mail」: 電子メールソフト……Microsoft Outlook Express
  • 「StarOffice Base」: データベース……Microsoft Access

のようになっている。

「SunOffice」リリース時期

 最後に同氏は、スケジュールについて語った。前の記者会見では米Sun Microsystemsの会長兼CEO、Scott McNealy氏が「SunOffice」は8月にリリースできそうだと述べていた。しかし、同氏によるとリリース開始は、年明けになるとのこと。また一太郎ファイル形式への対応だが、このバージョンでは未対応になるものの、その後のリリースでは、ファイルの互換を視野に入れているという。来年のスケジュールについては、「SunOffice」のLinux版、Solaris版が提供され、Windows版はそのあとにリリースされるという。

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