コードの絵文字か、画像の絵文字か
実はケータイのメールを考える上で、HTMLメール(デコメール、デコレメール、デコレーションメール)は外せない。
ケータイで@付きのメールが扱われる以前は、回線交換でポケベル的にテキストを送りあうショートメッセージサービスが使われていた。これがインターネットを経由するケータイメールになり、ケータイメールがHTMLメールに対応した。そんなケータイメールの進化の中で、これまでコードとして提供されていた絵文字は、より汎用性の高いHTMLメールの素材として流通し始めている。
今までもコード変換などによってケータイメールの絵文字は極力意味が通じるようにキャリア間で工夫がなされていた。今回の新デザイン絵文字も表示や表現の互換性を保つような配慮がなされた。
しかしHTMLメールで画像として送信すれば、コードの絵文字で苦労していた互換性の問題を無視できる。
そんなトレンドの中、あえて絵文字をリデザインしたのはなぜだろうか。
「新デザイン絵文字はソフトバンクの新しい端末以外でも使用できます。同じマイ絵文字のファイルをソフトバンクのケータイサイトで配布しており、デコレメールに対応しています。ドコモやauのユーザーにもダウンロードしてもらって、新しい絵文字の認知度を高めていきたい」(朝倉氏)
新デザイン絵文字はコードとしての絵文字だけでなく、HTMLメールの絵文字としても提供する。他社のユーザーにも活用してもらうことは、ソフトバンクユーザーにとってみれば、テキストメールでもHTMLメールと同じ絵文字が流通し、絵文字を活用したコミュニケーションの満足度を総合的に高めることにつながる。
これらがクロスオーバーしてくる時期にあえて絵文字のデザインをテコ入れしたのは、メールコミュニケーションを大切にする同社の姿勢を表している。
この連載の記事
-
第100回
スマホ
ケータイの“ミクロな魅力”とは、なんだったのか? -
第99回
スマホ
フォロワー計32万人の2人が語る2009年のiPhoneとメディア -
第98回
スマホ
写真で振り返るケータイ10のミクロなシーン -
第97回
スマホ
ケータイが支える、マイクロ化と遍在化するメディア -
第96回
スマホ
ノマドワークのインフラをどう整えるか? -
第95回
スマホ
冬春モデル発表会で見えた、本当に欲しいケータイ -
第94回
スマホ
デザインから考える、ケータイのこれから -
第93回
スマホ
次の自動車社会とケータイとの関係 -
第92回
スマホ
モバイルアプリを実際に作るにあたっての考察 -
第91回
スマホ
楽しい使い方は現在模索中の「セカイカメラ」 -
第90回
スマホ
iPhoneと過ごしたNYとメキシコの旅でわかったこと - この連載の一覧へ