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企画書は作るな! わずか2ヵ月で社運をかけたプロジェクトを完成させる方法とは

「USB事件」起こしたソースネクスト社長の“勝つ”流儀

2008年09月01日 12時00分更新

文● 盛田 諒/トレンド編集部

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USBメモリー版「ウイルスセキュリティZERO」を手にした、ソースネクスト代表取締役社長の松田憲幸氏

アイデアから2ヵ月で発表までこぎつけた「Uメモ」シリーズ

 ――先ほど全製品のカタログを拝見したんですが、ものすごいタイトル数ですね。

 いま300本弱程度ですね。一時期は500本程度あったんですが、だいぶ抑えています。ラインアップは豊富ですが、ソフト市場全体から見たら、まだまだプッシュが足りないということで今回この「Uメモ」シリーズを発表しました。

 ――この「Uメモ」プロジェクトはいつごろから動かされていたんでしょう。

 これは(今年の)7月上旬ですね。まだ2ヵ月経っていないくらいですか。たしか「ウイルスセキュリティZERO」の開発をはじめたときは3月末で、発売が7月でした。あのときも記者発表が5月ごろだったので、同じペースです。


書類だけで1つの企画が完璧になることは100%ない

 ――企画書が出されたらその日に決裁、というくらいのスピードなんですか。

 「企画書を出す」という形ではなく、「社員がアイデアを出す」という感じですね。アイデアを担当部署から聞いて「あ、それいけるね」という話になり、コストはいくら、何タイトル出すか、値段をどうするかを算定する。そういう要素が決まればもう決断までに時間はかかりません。アイデア自体も、量販店のバイヤーと営業部員の立ち話から出てきたものです。

USBメモリー版「筆王ZERO」モック。空き容量は通常のUSBメモリーとして使用可能だ

 ――すべて口頭で決めていくわけですか。

 そうですね。たとえば会議で「メモリーにするとどうなるかな、お客さんにとったら便利なんじゃない」と話が出たとします。「じゃあ(値段は)1000円上げようか」と意見が出て「それなら競合メーカーにもできる。値段はそのままで」と指示を出す。

 すると「それならたしかに売れる」ということになる。次には「どうしたら利益が出せるか」という風に考え方が前向きに進んでいくわけです。このやりとりは書類ベースでやっていたら不可能でしょう。

 ――たしかにそうですね。はじめの熱意が失われてしまうというか。

 書類だけで1つの企画が完璧になることは100%ないですね。企画書ということではなく、いわゆるマーケティングの「4P」(製品/価格/流通/プロモーション)を含めた構想すべてをどう扱うかが重要なんです。「ウイルスセキュリティZERO」のときは私自身、他社に漏れないように極秘裏に構想を進めていました。

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