“iPod”を初めとするデジタル携帯オーディオプレーヤーが浸透したおかげで、パソコンを音楽プレーヤー兼ライブラリ管理機器として使うのも普通の行為になってきた。反面でパソコン付属、または内蔵のスピーカーというのは、いい音を楽しむには音質的にやや厳しいものが多い。そこで今回は、サンワサプライ(株)の2.1chマルチメディアスピーカー『MM-SPWD3SV』を紹介したい。
パソコンの付属スピーカーでミュージックライフを堪能できますか?
パソコンを使ったデジタルオーディオは、もはや広く浸透したと言ってよいだろう。このようにパソコンをAV機器として使う場合、標準装備されていなかったり力不足な感があるデバイスがスピーカーだ。家電メーカー製のTV機能を重視したモデルだと十分なクオリティのスピーカーが付属してくることが多いのが、それ以外だと付属するスピーカの質が悪かったり、それ以前にスピーカーがないことも珍しくない。
また、ノートパソコンもAVモデルを除いてスピーカーの質、迫力ともに音楽視聴向けとは向かないものがほとんどだ。音楽を楽しむためには、別途コンポやアンプ付きスピーカーが必須アイテムなのである。
こういう事情もあってか、多くのパソコン周辺機器メーカーがパソコン向けのスピーカーシステムを販売するようになってきた。
マイクをつないで“Skype”もOK
今回紹介するMM-SPWD3SVもパソコン周辺機器メーカーの老舗であるサンワサプライが発売する、2.1chマルチメディアスピーカーである。価格は8379円で2.1chウーハーユニット付きスピーカシステムとしては安価な部類に入る。
スピーカ部は5W×2サテライトスピーカーと、15Wのサブウーハーの2.1ch構成で、サブウーハーにアンプと入力端子類が装備されている。サテライトスピーカーの口径は直径2インチと小さめで本体サイズもコンパクトだ。サイズは奥行きが2~3cmほど長い350mmドリンクの缶をイメージしてもらえば、大体の大きさが思い浮かぶだろう。
ウーハーはアンプを内蔵しているため、サイズはやや大きめで、奥行きも175mmとかなり長い。ボリュームやBASSコントロールのダイヤル式調整ツマミやヘッドフォン端子もこのウーハーに装備されているので、このウーハーをうまく手の届くところに設置できるかが使い勝手を大きく左右することになる。
入力端子は背面と前面に1つずつ外部入力(いずれもミニジャック端子)を装備する。前面の入力端子はiPodといった携帯オーディオデバイスを接続して音楽を聴く際に役に立つだろう。またマイク入力端子を備えており、ヘッドフォン出力端子と合わせて使うことで、“Skype”などのインターネット電話を利用するときに素早くヘッドセットを接続することが可能だ。
ボディは木製の落ち着いた色調のデザインで、ブラウン管タイプのTVに影響を及ぼさない防磁タイプとなっている。スピーカー、ウーハーともに前面のみ光沢処理が施されたプラスチックになっており、カラーバリエーションとしてブラックとホワイトモデルが用意される。
低音域の迫力がすごい!
気になる音の方だが、ボディーが小さいこともあって最大音量に近いとやや音が割れ気味な感があるものの、一般的な音量であれば問題ないレベルである。サテライトスピーカーがツイータとスコーカに分かれていないため高音域にやや物足りなさがあるが、サイズを考慮すれば十分な音質だろう。低音域はウーハーがあるため迫力十分。手軽に音楽を楽しみたいというユーザーには、満足のいくサウンドが得られるだろう。
ウーハーユニットはやや大きめだが、それでも競合製品と比較すると小さめであり、「迫力のある音が出るスピーカを机の上に置きたい」といった、低音重視&コンパクト志向の人にはうってつけだ。パソコンサウンド改善に最適な製品と言えるだろう。