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中堅企業向けERPでトップシェアを目指す――NEC、EXPLANNER事業を強化

2007年06月06日 21時02分更新

文● アスキービジネス編集部

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日本電気(NEC)は6月6日、中堅企業向けのERPパッケージ「EXPLANNER」(エクスプランナー)事業を強化すると発表した。人員体制の増強と中国ビジネスの拡大、製品ラインナップの強化が戦略の柱となる。執行役員常務の岩波利光氏が会見で明らかにした。


人員体制を大幅増強、中国ビジネスも強化へ


NEC執行役員常務の岩波利光氏

NEC執行役員常務の岩波利光氏

「中堅企業向けのERPパッケージ市場でNECのシェアはこれまで低かった。人員体制を増強して積極的に攻め、3年後にはトップシェアを狙いたい」――。NEC執行役員常務の岩波利光氏はこう意気込みを語った。

 「EXPLANNER」シリーズは、NECが開発・販売する中堅企業向けのERPパッケージである。業種共通の「EXPLANNER/Ai」や、組み立て製造業向けの「EXPLANNER/J」など計7シリーズ、43種類の連携製品から構成される。NECは昨年5月にも「EXPLANNER宣言」として、主力製品の一新や人員強化など、EXPLANNERシリーズの事業強化を打ち出していた。

 今回、岩波氏が新たに発表したのは、(1)販売・サポート体制、(2)中国における事業展開、(3)製品ラインナップ――の3つのポイントについての強化である。

 まず販売・サポート体制の面では、今年4月からNECネクサソリューションズにEXPLANNERの営業・サポートを担当する100名の専任体制を設置。パートナーである日本コンピューター・システムでも50名規模のサポート要員を確保した。従来からのNECソフトの部隊と併せて、システムインテグレータや販売代理店に対して支援していく。岩波氏によれば「昨年の時点では営業・SE合わせて1100名体制だったのが、今回の施策で実質的には1700名体制になる」という。

 中国事業については、現地での開発・サポート体制を強化し、日系製造業の現地法人での採用を中心に拡販を目指す。新たに、NECソフトの現地法人に開発拠点を置くほか、神戸ウェーブなどと協業し、システム構築や運用支援を行なう人員として100名を確保した。

 製品ラインナップでは、ビジネスパフォーマンス管理(BPM)ソリューションと卸売業向けの新製品を追加。IDSシェアー・ジャパンの「ARIS」との連携による「パフォーマンスモニタリングサービス」、ビーイングとの協業によるビジネスプロジェクト管理ツール「EXPLANNER/BM」の提供を開始する。また、青果市場向けの「EXPLANNER/Vf」や、鋼材卸売業向けの「スタースチール」(スターインフォテックと協業)を展開していく。

中堅企業向けERPでトッ プシェアを目指す――NEC、EXPL...

NECは3年間で計1200億円規模までEXPLANNER関連事業を拡大させる

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シリーズのラインナップ。業種共通の「EXPLANNER Ai」と各業種別製品からなる

 こうした一連の施策により、NECはEXPLANNER関連ビジネスを、現在の年間100億円(2006年度受注実績)から、2009年度までの3年間で計1200億円へと成長させる。中堅企業向けのERP市場での現在のシェアは4%程度に過ぎないが、これを20%程度まで引き上げたい考えだ。岩波氏は、「基幹業務製品は、ハードウェア、ネットワークと幅広い事業を展開するするNECにとっても非常に重要な事業。幅広い相乗効果が期待できる」と事業強化の狙いを語った。

 なお、NECは独SAPや米オラクルとパートナーシップを結んでおり、自前の製品以外に両社のERPパッケージも取り扱っている。岩波氏は、製品の棲み分けについて「EXPLANNERがターゲットとする年商200~1000億円程度の企業向けに対しては基本的にEXPLANNERを提案していく。より大規模な企業や、親会社とシステムを統一したいというケースでは、SAPやオラクルを販売する」と説明した。

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