日本スケーリックス(株)は12日、東京・大手町のサンケイプラザにプレス関係者を集め、オープンソースのウェブベース・メール&グループウェアソフトウェア『Scalix(スケーリックス) バージョン 11(11.0.2)』の日本語版を本日提供開始したと発表した。
Scalixは、Ajax(JavaScriptとXMLを利用した、画面遷移のないユーザーインターフェースを実現する技術)を採用し、ウェブブラウザーでOutlookと同等の操作性や機能性を実現できるという、ウェブメール&グループウェア・サーバーソフトウェア。主な機能は、メール/スケジュール共有/アドレス帳管理/共有フォルダーなど。また、POP3/IMAP4/SMTPやMAPIなどのプロトコルもサポートするため、クライアントとしてウェブブラウザーだけでなく普段使い慣れたOutlookやメールクライアントソフト(ただしメール送受信のみ)も利用できる。
今回提供される“バージョン 11”には3つのエディションがある。機能的な制限は特にないが、メール(クライアント数無制限)とグループウェア(クライアント数25人まで)を試用できるシングルサーバー対応&サポートなしの“コミュニティエディション”は、本日から同社サイトで無償提供されている(ダウンロードで入手可能)。
このほか、シングルサーバー対応でメール(無制限)&グループウェア(最小50ユーザーで25ユーザー単位の追加が可能)と初年度のサブスクリプションサービス(年次更新が必要)をセットにした“スモールビジネスエディション”が16万4000円~(50ユーザーのライセンス料)/8万2000円~(50ユーザーのサブスクリプションサービス、2年目以降)。マルチサーバー&クラスターサポートでメール(無制限)&グループウェア(最小50ユーザーで1ユーザー単位の追加が可能)と初年度のサブスクリプションサービスをセットにした“エンタープライズエディション”は79万5000円~/13万2000円~(各50ユーザー時)。スモールビジネスエディションとエンタープライズエディションも、サーバープログラム本体は同社サイトから提供され、購入契約成立とともにライセンスキーが送付される仕組みになっている。このほか、Scalixソリューションパートナー/ディストリビューションパートナー(現在十数社と締結予定)を通じても販売されるという。
サーバー版の対応OSは、Red Hat Enterprise Linux 3/4、SUSE Linux Enterprise Server 9/10、Fedora Core 5(評価用としてサポート)、OpenSUSE 10.1(評価用としてサポート)、Debian(コミュニティエディションのみ対応、非サポート)。クライアントとしては、Firefox、Internet Explorerの各ウェブブラウザーのほか、Outlook 2003/XP/2000、Novell Evolution 2.4、POP3/IMAP4対応メールクライアントなどが利用できる。また、携帯電話向けサービスも現在日本語化しており、1~2ヵ月で提供できる見込みとしている。
同社では、既存クライアントとの接続性の高さから、Exchangeサーバーからの移行を促進できるものと期待している。また、Scalixの前身である『HP OpenMail』の10年間の稼働/サポート実績や導入企業の豊富さ(有償契約ベースで今年1月現在600社、推定100万メールボックスが利用されている)、さらにJSOX法対応(過去のメールサーバーの設定変更履歴の記録やメールアーカイブ機能など)、ウェブメールに移行してもAjaxによるドラッグ&ドロップや右クリックメニューなどクライアントソフトと同等の操作性といった、同製品の特徴を説明し、メール&グループウェアサーバーの移行によるコスト削減のメリットを強調した。