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旅の達人が伝える! スマートトラベラーへの道 第46回

安さには裏がありますね

中国乗り継ぎの飛行機で帰国が危ぶまれる事態に!? GWに体験したOTA経由の格安航空券トラブルとは

2024年05月08日 07時30分更新

文● 中山智 編集●こーのス

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 ひとまず中国東方航空側は、「Trip.comから別ルートでの変更申請をするように伝えてくれ」と言われたため、またまたTrip.com側へ連絡し、「5月1日 ダッカ発-昆明経由-上海経由-成田着」の便で、再度、変更申請をお願いします。

 予定通りに帰国できると安心していたところ、出発日前日の4月30日に、変更申請がキャンセル扱いになったのです。ここで中国東方航空に連絡すると、「Trip.com側からは変更の申請は来ていない」との回答。そのことをTrip.com側に確認すると「中国東方航空に何度連絡しても電話がつながらなかった」と言って話しになりません。

このメールが何度も届く度に絶望し、さすがに筆者の心もすさんでいきます

申請する度にフライトはキャンセルとなり
旅先で途方に暮れる……

 ここまでくると白ヤギさん黒ヤギさんのお手紙状態で、心が折れそうになりながらも再度、中国東方航空へ連絡します。すると「担当部署の電話はそんなに混雑していないので、再度Trip.comから連絡するように。中国東方航空側からも確認はしてみます」とのこと。

 この時点で翌日となる5月1日出発は時間的にも厳しくなり、「5月2日 ダッカ発-昆明経由-上海経由-成田着」の変更申請をお願いすべく、「とにかく中国当方側の連絡先は混雑していないそうなので、かならず電話で連絡してほしい……」とTrip.comへと伝えます。

 ですが、結局、この変更申請もキャンセルに。聞けば、すでに5月4日の「ダッカ発-昆明-南京-成田着」で確定してしまったため、無料での変更はできないとのこと。これ以上、やりとりし続けても進展がないと判断し、最終的には5月4日の「ダッカ発-昆明経由-南京経由-成田着」で、日本には5月5日に帰国しました。

 実はTrip.comとのやりとりの最中、航空会社都合の欠航のため、復路をキャンセルすればそのぶんの料金は戻ってくるとも提案されています。そのため、当初のルートは諦め、あらためて別ルートを購入して帰国するという手もありました。ですがGW中ということもあり、航空券は通常よりも割高ですし、航空会社のマイルも空きがありません。さらに戻ってくる金額は調べないとわからないという仕様。しかも、変更を確定してしまうと、無料キャンセルできなくなるので金額がわからないそうです。振り替え便が取れるなら早く押さえないと埋まってしまうが、振り替え便を取ってしまうとキャンセルの金額がわからない……。

 割高の航空券を買うにしても、こちらの負担額が把握できない状態であれば、うかつにキャンセルもできません。代理店経由での購入とはいえ、乗り継げない便を提案されたり、キャンセルされるフライトの変更を提案したり、キャンセル時の返金額を教えてもらえないなど、ちょっと中国東方航空もTrip.comも、システム的に厳しいなという感じです。

海外旅行トラブル

振り替え便を確定してしまうと、キャンセルした場合に戻ってくる金額がわからず、負担額が把握できない

 唯一、良かった点としては、Trip.comへの問い合わせは公式アプリから無料で通話ができることと、中国東方航空への問い合わせは、楽天モバイルのRakuten Linkを使っていたのでやはり無料だったということでしょうか。以前はこういった問い合わせを有料の国際電話でかけ続けることになり、その通話料だけでもバカ高い出費となっていたため、今は良い時代にはなりました。

Trip.comへはアプリから無料で通話での問い合わせができたので、そのあたりはよかった。進捗確認も含めて都合20回くらい連絡しています

 また、今回は乗り継ぎビザ免除が使える帰国便に振り替えられたので良かったですが、もし振り替え便に全然空きがなく、ビザがないと入国できないような便しかなかったら、たとえ無料での振り替えでも利用できません。

疑心暗鬼になりながらも
予定より3日後のフライトで無事帰国!

最後の成田行きに乗り込んだときは、安堵感から自然と笑みがこぼれました

 というわけで、「中国系航空会社の乗り継ぎ便を代理店経由で購入しビザなしで中国に入国」するのは、結構リスキー。時間に余裕がある個人旅行や、なにかトラブルがあっても対処できる旅慣れた人ならまだ大丈夫ですが、時間が決まっているビジネスでの利用はちょっと厳しいかも……といった感じです。自分の場合は、たぶん、安さに負けて、懲りずにまた使ってしまいそうですが。

この記事を書いた人──中山智(satoru nakayama)

海外旅行トラブル

世界60ヵ国・100都市以上の滞在経験があり、海外取材の合間に世界を旅しながら記事執筆を続けるノマド系テクニカルライター。雑誌・週刊アスキーの編集記者を経て独立。IT、特に通信業界やスマートフォンなどのモバイル系のテクノロジーを中心に取材・執筆活動を続けている。

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