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いよいよ勃興するデジタル資産の市場にNFTコンテンツとともに参入

デジタルコンテンツのNFT化と販売が可能なマーケットプレイス「ユニマ」開始

2021年07月06日 15時30分更新

文● 大谷イビサ 編集●ASCII

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 2021年7月6日、モバイルファクトリーと子会社のビットファクトリーはNFTトークンの生成・販売プラットフォーム「ユニマ」を開始した。デジタルコンテンツの流通手段として注目度の高いNFTの販売・購入を暗号化資産の購入なしに、すべて日本円で実現。出品者・購入者の本人確認も提供され、マネーロンダリングに対する安全性を重視する。

モバイルファクトリー 代表取締役 宮嶌裕二氏

急成長するNFT 暗号化通貨なしでも手軽に利用

 NFT(Non-Fungible Token)はブロックチェーンで生成された代替不可能なデジタルトークンを指す。コピー可能なデジタルコンテンツの流通において、コンテンツのユニークさと保有を証明できるデジタル資産の仕組みとして注目を集めており、国内でもマーケットプレイスの開設やビジネス創出の動きが活発化している。

 発表会に登壇したモバイルファクトリーの宮嶌裕二氏は、NFTのデジタルアセット市場が今年の2月になって前月比8倍と急成長を遂げていることを紹介。先月の6月に仮想空間上のNFT土地である「Decentraland」が約1億円で購入されている例を挙げた。NFTと概念的に近い国内暗号資産の取引も3年間で980倍の成長を遂げており、「日本語圏でも数千倍に成長している可能性もある」と宮嶌氏が語る。

先月の6月、Decentralandは約1億円で購入された

 今回発表されたNFTトークンの生成・販売プラットフォーム「ユニマ」は、「はじめてのNFTはユニマ」をテーマに使いやすさを謳う。まず、すべてのNFTを日本円で購入でき、ビットコインやイーサリアルなどの暗号資産の購入や取引所の口座開設は不要。また、購入プラットフォーム手数料も無料で、出品側の手数料のみで利用できる。さらに、マネーロンダリング防止のため、購入金額が200万円を超えた場合は、出品者・購入者に本人確認(KYC)を行なうという。「暗号化資産を持たない人しかNFTに入札できなかったが、この状況をユニマが変える」と宮嶌氏は語る。

ユニマ

バックエンドの仕組みを提供し、オリジナルのNFT販売サイトも

 ユニマ上で販売されるNFTも発表された。まずモバイルファクトリーの主力事業である位置ゲーム「駅メモ!」内のゲームの駅をNFT化。7月6日からは豊島園駅と永田町駅がオークション販売される。また、山口周氏の「ビジネスの未来」のサイン入り再校ゲラ書籍、本人登場のQ&Aイベントの参加券、編集者との対談動画の閲覧権も、3セット販売される(初校ゲラも8月にオークションが予定となっている)。

 その他、画家の杉田洋平氏の「Abstracted Hokusai」のほか、marimosphereやmera takuru、三毛ヒゲ、ピプリクトなどのクリプトアーティストの作品も順次販売される予定。また、ゲームのみならず、電子書籍、アート、オリジナル商品など取り扱いアセットも増加させていく予定。同日、TikTokフォロワー680万人を誇るBuzz Magician Shinとの共演・コラボ権、キャンディキャンディでおなじみ漫画家いがらしゆみこのデジタル原画と原画を利用した商品化、そして女優ののんさんの作品をNFT販売するプロジェクトも新たに発表されている。

 リリース後、半年以内に二次流通でのクリエイターへの還元、MP4ファイルへの対応、電子書籍ビューアーとの連携を進める。さらに、NFTの生成や参照、移転の機能をAPI経由でSaaSとして提供する予定。「お客さまに聞いたところ、IPを自社ブランドでNFT展開させたいというニーズもかなりあったので、バックエンドの仕組みをSaaSで提供し、オリジナルのNFT販売サイトを展開できる」と宮嶌氏は語る。

イベントでは杉田洋平氏をゲストに迎えたトークショーも披露された

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