今回のことば
「イチローは4割を狙えるが、シャープは1割バッターを目指す」(シャープの高橋興三社長)
シャープの構造改革は着実に成果をあげているようだ。
先頃発表した2014年度第1四半期(2014年4月~6月)の連結業績では、売上高は前年同期比1.9%増の6197億円、営業利益は55.0%増の46億円、経常損失は127億円の赤字から54億円の赤字に縮小。当期純損失は179億円の赤字から、17億円の赤字に縮小。「経常利益と最終利益は、いずれも前年同期から大幅に改善しており、第1四半期は順調に推移。中期経営計画についても計画通りに進捗している」と、業績回復に手応えをみせた。
こうした構造改革への取り組みに一方で、シャープは次の一手をすでに打ち始めている。
その象徴的な取り組みが、2013年5月に発足した新規事業推進本部と、2014年4月に発足した市場開拓本部によって推進されている新事業領域への取り組みだ。いずれもCTOである水嶋繁光代表取締役副社長執行役員が率いる組織である。
「ヘルスケア・医療」「ロボティクス」「スマートホーム/モビリティ/オフィス」「食/水/空気の安心安全」「教育」の5つの領域と、「革新商品」をあわせた6領域を、新規事業領域として位置づけ、研究開発投資を行っている。
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