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マイクロソフトの新しいAI PC「Copilot+ PC」には、とても小さな新型AIモデル「Phi Silica」が入っている

2024年05月22日 12時00分更新

文● 田口和裕

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 マイクロソフトは5月21日(現地時間)。開発者向けイベント「Microsoft Build 2024」の基調講演で、前日発表した「Copilot+ PC」に搭載されるローカルで実行可能なSLM(小規模言語モデル)「Phi Silica(ファイシリカ)」を発表した。

高度なAI機能をローカルで提供

 33億パラメーターを持つPhi Silicaは、4月23日に発表された「Phi-3」ファミリーの中でも最小サイズのモデルとなる(これまで最小の「Phi-3-mini」は38億パラメーター)。

 「Copilot+ PC」のニューラルプロセッシングユニット(NPU)上で動作するようにカスタムビルドされており、Windows上で「Copilot」「Recall」といった高度なAI機能をローカルで利用することができる初のプラットフォームとなる。

 Phi Silicaは、プロンプト処理をNPUに任せることで、最初のトークン生成における応答速度を650トークン/秒まで向上する一方、消費電力はわずか1.5ワットに抑えられている。

 開発者は6月にリリースされる「Windows Copilot Library」経由で「OCR」「Studio Effects」「Live Captions」「Recall User Activity API」などと共に「Phi Silica API」を利用できるようになる予定だ。

 マイクロソフトはOpenAIと協力して大規模言語モデルを利用したサービスを継続しつつ、小型言語モデルの開発とNPU搭載のWindowsプラットフォームへのAIの統合も推進していくようだ。

 なお、Silica(シリカ)は、二酸化ケイ素(SiO2)を主成分とする鉱物の総称。小型ながら堅牢で効率的な言語モデルであることを表しているのだろうか。

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