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持続可能な食生活、カギは「混合食」= 東大が提案

2024年04月17日 06時49分更新

文● MIT Technology Review Japan

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東京大学の研究チームは、料理レベルでの持続可能な食生活を探求するために、新たに混合整数計画モデルを構築。同モデルを用いて、料理ごとの栄養価、価格、およびカーボンフットプリントを定量化し、「混合食」が栄養ニーズを満たしつつ環境への影響を低減する、より持続可能な料理であることを明らかにした。混合食とは、食材を肉、魚介、野菜などに分類するとき、単一の食材から成る料理ではなく、さまざまな食材を含む料理を指す。

東京大学の研究チームは、料理レベルでの持続可能な食生活を探求するために、新たに混合整数計画モデルを構築。同モデルを用いて、料理ごとの栄養価、価格、およびカーボンフットプリントを定量化し、「混合食」が栄養ニーズを満たしつつ環境への影響を低減する、より持続可能な料理であることを明らかにした。混合食とは、食材を肉、魚介、野菜などに分類するとき、単一の食材から成る料理ではなく、さまざまな食材を含む料理を指す。 研究チームは今回、料理レベルでの持続可能性分析に着想を得て、経済学と数学を用いたモデリングのアプローチを導入し、健康、環境、経済の3つの側面から、45種類の料理に関する持続可能な食生活スキームを探求した。味の素株式会社のレシピデータベースを基に選ばれた料理について、カーボンフットプリント(ライフサイクル全体で排出された「温室効果ガスの量」の二酸化炭素換算量)を定量化し、栄養価と価格を評価。さらに、16の食生活シナリオを提示し、異なる料理の組み合わせでカーボンフットプリントを最小限に抑えつつ、個々の栄養ニーズを満たす混合整数計画モデルを構築した。 その結果、牛肉を中心とした料理が最もカーボンフットプリントが高く、豚肉や野菜ベースの料理は低いことや、カーボンフットプリント全体に対して調理による直接的な二酸化炭素排出の影響は小さく、二酸化炭素の主な排出源は原材料の生産過程にあることを明らかにした。また、カーボンフットプリントの高い料理は高価であり、低いものは比較的安価であることも分かった。 研究論文は、サイエンス・アドバンシス(Science Advances)のオンライン版に2024年4月10日付けで掲載された

(中條)

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