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毒性元素を含まない熱電材料で過去最高の変換効率=東工大

2024年01月15日 06時47分更新

文● MIT Technology Review Japan

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東京工業大学の研究チームは、バリウム・シリコン・酸素の組成からなるBa3SiOが、毒性元素を含まない材料として過去最高の熱電変換効率を示し、高性能熱電材料として有望であることを見い出した。熱電変換とは、導体や半導体の一部に熱エネルギーを加えて温度差を作ることで電圧を発生させる技術であり、熱電変換効率はその性能指数である。

東京工業大学の研究チームは、バリウム・シリコン・酸素の組成からなるBa3SiOが、毒性元素を含まない材料として過去最高の熱電変換効率を示し、高性能熱電材料として有望であることを見い出した。熱電変換とは、導体や半導体の一部に熱エネルギーを加えて温度差を作ることで電圧を発生させる技術であり、熱電変換効率はその性能指数である。 研究チームは今回、“逆”ペロブスカイト構造と呼ばれる特殊な結晶構造を有するBa3SiOが、酸化物熱電材料であるチタン酸ストロンチウム(SrTiO3)に比べて約1桁低い熱伝導率を示すことを発見。第一原理量子計算(量子力学の基本原理に基づいた計算)から、通常は陽イオンになるシリコン(Si)が陰イオンとして振る舞い、電荷キャリアの移動を担うことで高い電気出力を実現できることを明らかにした。 これまで、廃熱を電気エネルギーとして再利用するための熱電変換材料には、鉛やテルルなどの希少で毒性を有する元素が使われており、より安価で環境に優しい材料の開発が求められていた。SrTiO3に代表される酸化物熱電材料は、無毒で豊富な元素で構成されるが、熱伝導率が高いために変換効率が低い問題があった。 研究論文は、アドバンスト・サイエンス(Advanced Science)に2023年12月25日付けで掲載された

(中條)

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