米中対立が深まるなか、流行の速度は上がっている
ここ最近、特に画像生成AIまわりの分野では、最新の研究が、中国の研究機関や中国人研究者から出ることが圧倒的な印象です。しかも、若手が多い。これにはここ7〜8年くらいの助走期間があり、それが今になって大爆発したということではないでしょうか。
一方で、近年は半導体を巡る米中間の対立が先鋭化しつつあります。特に、10月にアメリカはAIに応用可能な先端半導体の中国への禁輸措置を打ち出しました。現在はまだ、ソフトウェア分野でのはっきりとした衝突までは発展していません。
中国が様々な問題点を無視して突っ走っている強引な部分もあるように見えますが、世界的な研究レベルを引っ張る部分から一般的なユーザーまでの裾野へと広がる環境が、中国の生成AIブームの速度を押し進めているところはありそうです。
筆者紹介:新清士(しんきよし)
1970年生まれ。株式会社AI Frog Interactive代表。デジタルハリウッド大学大学院教授。慶應義塾大学商学部及び環境情報学部卒。ゲームジャーナリストとして活躍後、VRマルチプレイ剣戟アクションゲーム「ソード・オブ・ガルガンチュア」の開発を主導。現在は、新作のインディゲームの開発をしている。著書に『メタバースビジネス覇権戦争』(NHK出版新書)がある。
※アメリカの著作権に関する説明に一部誤りがあったため表現を変更しています。(12月18日13時16分)
![](/img/blank.gif)
この連載の記事
-
第68回
AI
AIが作る3Dモデルの完成度が上がってきた 毎回異なるモンスターが生成されるゲームも実現か -
第67回
AI
アドビの画像生成AI機能がまた進化 白黒3Dモデルがリアルな都市に -
第66回
AI
有名人そっくり、増え続けるAI音声 “声の権利”どう守る -
第65回
AI
画像生成AIに照明革命 日本と世界で同時に“神ツール”登場 -
第64回
AI
自分好みのAIチャット相手を簡単に作れる「Dify」が面白い -
第63回
AI
まるで“いけない話ができるChatGPT” ローカルAI「Command R+」の爆発的な可能性 -
第62回
AI
動画生成AI、映像制作の“民主化”目指して研究進む -
第61回
AI
画像生成AI“児童ポルノ”学習問題、日本では表現規制の議論にも -
第60回
AI
3Dアニメーション技術の革新が止まらない -
第59回
AI
政府、生成AI推進に向けて議論を加速 -
第58回
AI
画像生成AIで同じキャラクターが簡単に作れるようになってきた - この連載の一覧へ