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西田宗千佳の「AIトレンドトラッキング」 第3回

楽天、ソフトバンクの“生成AI戦略”に注目【AIニュースまとめて解説】

2023年08月24日 07時00分更新

文● 西田宗千佳 編集●ASCII

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 本連載では、ASCII.jpに掲載されたAI関連記事を中心に紹介、最近のAI事情を俯瞰していく。今回は8月上旬(8月1日から15日)の主なニュースを振り返ってみよう。

メタ、プロンプトから音楽を生成するAI ツール「AudioCraft」(8月3日)

 この種のツールは昔からあるようでいて、クオリティが高くなったのはやはり最近のこと。記事でも指摘されているように、ポイントはオープンソースで公開されている点にある。

 オープンソースとして公開されるプロジェクトが増えてきたが、その多くはモデルの大きさで勝負するのではなく、生成AIの可能性をいかに広いものにするか、という部分に眼目がある。

楽天はOpenAI、ソフトバンクは日本MS ”AIタッグ”に見えた事情の違い(8月3日)

 8月2日、楽天は同社のカンファレンスイベント「Rakuten Optimism 2023」でOpenAIとの協業を発表した。これはその背景を解説したもので、協業自体の解説ではないため、楽天のリリースも併読していただきたい。

 また同日ソフトバンクは、日本マイクロソフトと戦略提携している。こちらもソフトバンクのリリースを併読していただきたい。

 楽天とソフトバンク、携帯電話事業を持つ事業者が同じ日に発表したことで比較されやすいのだが、実際にはかなり大きく違う提携が、たまたま同じようなタイミングで発表されたと考えるべきだろう。

 楽天とソフトバンクでは、生成AIをビジネス化する対象が異なる。

 楽天は自社のEC事業を中心に、「自社のビジネスとそれに付随するパートナー」向けに生成AIを活用する。すなわち結構内向きの活用だ。それに対してソフトバンクは、自社が行う法人向けビジネスの中で生成AIを扱う。

 楽天は自社で生成AIを使ったシステムを開発して使うから、直接的なパートナーとしてOpenAIを選んだ。間にレイヤーは少ない方がいい。

 一方でソフトバンクは、さらに他社に外販していく立場。だから、クラウドと同時に提供するのが望ましく、元々関係の深かったマイクロソフトをビジネスパートナーに選んだ。生成AIとしてみれば同じOpenAIのものを提供する立場だが、マイクロソフトというレイヤーは必須なのだ。

 こう考えるとかなりスッキリするのではないだろうか。

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