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重力マイクロレンズで地球質量の浮遊惑星候補を発見=阪大など

2023年08月09日 06時51分更新

文● MIT Technology Review Japan

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大阪大学の研究チームは、米航空宇宙局(NASA)などと共同で、主星の周りを回らない浮遊惑星(自由浮遊惑星)候補天体を6個発見した。そのうち1個は地球質量程度で、地球質量の浮遊惑星が発見されたのは、これまでで2例目である。

大阪大学の研究チームは、米航空宇宙局(NASA)などと共同で、主星の周りを回らない浮遊惑星(自由浮遊惑星)候補天体を6個発見した。そのうち1個は地球質量程度で、地球質量の浮遊惑星が発見されたのは、これまでで2例目である。 今回の研究は、日本・ニュージーランド・米国の共同研究チームである「MOA(Microlensing Observations in Astrophysics)」が、ニュージーランドの1.8メートル「MOA-II」望遠鏡を使って実施した、重力マイクロレンズ現象の観測に基づいている。重力マイクロレンズ現象とは、遠方の恒星の前を他の星が通過すると、その星の重力が周りの空間を歪めるレンズのような働きをして恒星の光を一時的に増光させる現象である。 研究チームは、2006年から2014年の9年間に観測したデータを系統的に解析して、6111個のマイクロレンズ事象を発見し、一定の基準を満たす3535個を選出。そのうち6個が増光期間が0.5日以下の浮遊惑星候補であり、1個は増光期間が0.06日と非常に短く、質量が地球と同程度であることを見い出した。 同チームはさらに、これらのデータから、どの質量の浮遊惑星がどれくらい存在するかを示す質量分布を初めて推定。浮遊惑星は、主星の周りを回る既知の惑星より約6倍多く、特に地球質量の軽い浮遊惑星が多く存在することがわかった。このことは、主星の周りで形成された惑星は、軽いほど高い確率で弾き飛ばされて浮遊惑星になりやすいと考えることで説明できるという。 系外惑星の探索ではこれまで5000個以上が発見されているが、ほとんどは主星の周りを回る惑星であり、浮遊惑星の分布や存在量はわかっていなかった。どのような質量の浮遊惑星がどれくらい存在するのかを明らかにすることにより、惑星の形成・進化の理解が深まることが期待される。 研究成果については、2023年7月19日にNASAからプレスリリースが出された

(中條)

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