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Windows Info 第390回

この秋登場予定のWindows 11 Ver.23H2はどうなるか?

2023年07月30日 10時00分更新

文● 塩田紳二 編集● ASCII

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この秋にも正式版が登場予定と見込まれる
Windows 11のメジャーアップデート、Ver.23H2

 Windows 11のメジャーアップデートは年1回。現行のVer.22H2は昨年の9月20日に、最初のVer.21H2は、2021年10月4日に正式版(General Availabilityチャンネル)が登場している。そこから考えると、今年も9~10月の間にVer.23H2正式版がリリースされると考えられる。

 そうなると気になるのはそのプレビューだが、これはすでに開始されている。現行のVer.22H2でも、昨年5月からビルド番号22621でBetaチャンネルでプレビューが開始されていた。

 現在のWindows Insider Programのプレビューは、4つのチャンネルで配布されている。

Windows 11 Ver.23H2

 そのBetaチャンネルでは、今年5月から「Enablement Package」が適用された新機能が動作するビルドとして「22631.xxxx」が配布されている。これがVer.23H2のプレビューである。7月13日に公開されたプレビュービルド22631.2048のバージョン表記が「23H2」になった。

Windows 11 Ver.23H2

現在Betaチャンネルでプレビュー中のビルドでは、WinVer.exeの表示が23H2に切り替わっている

 現在、Betaチャンネルで配布されている「22621.xxxx」は、現在のVer.22H2(ビルド番号は22621)用のアップデートのプレビューを兼ねる。配布はどちらも同じもので、インストール先に「Enablement Package」がインストールされているかどうかでビルド番号が変わる。

 Windowsの毎月のアップデートには、次のメジャーバージョンアップに関わる部分が更新されていくが、新機能はEnablement Package」が適用されないと発現しない。段階的にアップデートしていくことで、最終段階のアップデートを小さくして、アップデート時間を短縮するためだ。

 ただし、以前と異なるのは、現行のVer.22H2は、かなり頻繁に新機能が追加されている点だ。この点については、以前の記事(「昨秋の22H2のリリース後もWindows 11には新機能が小出しに登場している」)でもまとめた。

 Windows 10では、新機能を追加する「機能アップデート」は、年2回に限定されていた。現世代のWindows 10 Ver.22H2もベータプレビューの間、21H2にはほとんど機能が追加されていなかった。このため、Devチャンネルで先行してプレビューされた機能機能の多くが、そのままBetaチャンネルのプレビューに入った(Canaryチャンネルの提供は今年3月から)。

 つまり、プレビューの機能は、22H2に入るか、入らないかの2択であり、数もそれほど多くなかった。

 現在のWindows Insider Programのプレビューは、それぞれ位置づけが異なるが、すべて同じWindowsのプレビューだ。現在のWindows 11 Ver.22H2に新機能が追加があれば、その機能はWindows 11 ver.23H2にも、その後のWindows 11にも含まれることになる。そして、来年登場と噂されるWindows 12にも当然含まれている。

 つまり、現在のWindows 11に追加される新機能は、4つのチャンネルすべてのWindowsに当然含まれている。なので、各チャンネルで最初に有効になる時点で、新機能としてWindows Insider Blogに紹介されることが多い。つまり、Canay/Dev/Betaの各チャンネルで新機能と紹介されたものに、現行のVer.22H2に対する新機能が含まれている。

 新機能がRelease Previewチャンネルのプレビュー版や通常版のVer.22H2に入れば、それはVer.22H2用だと確定できる。しかし、現時点で入っていないからといって、今秋のVer.23H2に入るとは断定できず、Windows 11のどのバージョンに入るのかがわからない状態のままだ。

 またドキュメントの問題もある。過去には、同じ新機能が複数のビルドのドキュメントで新機能として紹介されることもあり、ドキュメントの内容をそのまま鵜呑みにはできない。たとえば、Window 11通常版の以下の2つのサポート記事で紹介している新機能の大半は同じものだ。前のアップデートで新機能としたのだから、次のバージョンではもう新機能ではないはずなのにである。

●KB5027303 (OS ビルド 22621.1928) プレビュー
●KB5028185 (OS ビルド 22621.1992)

予想されるVer.23H2での新機能や改良点
ゲーミングキーボード/マウスのライティング制御も

 Betaチャンネルの22631.1825以降がWindows 11 Ver.23H2のプレビューであり、原稿執筆時点までに8回プレビュービルドが公開されている。その範囲で新機能や改良点を見てみることにしよう。ここで言う新機能とは、Windows Insider Blogなどで「What's New」や「New!」として紹介されているもの、「改良点」とは「Changes and Improvements」として紹介されているものとしている。

 新機能のうち大きなものは、エクスプローラーの改良、パスワードレス関連、ナチュラルボイス、ダイナミックライティングがあり、改良点にはタスクバー/システムトレー回りの改良、ローカルファイル共有強化などがある。そのほかにもボイスアクセスやWindows Ink関連などもあるのだが、今のところ日本語対応ではないため「今後に期待」の機能である。

 今年5月に発表されたWindows copilotは、まだDevチャンネルでしかプレビューされていないが、今後Betaチャンネルのプレビュー版に入る可能性も否定できない。そのほか、USB4関連の機能もDevチャンネルでは利用できるが、Betaチャンネルのプレビュー版にはまだ搭載されていない。というわけで、Ver.23H2の詳細に関しては、もう少し方向性が固まったところで解説することとし、ここでは概要のみ示す。

 エクスプローラーは、UWPで使われていたUIパーツをデスクトップアプリでも利用可能にしたWinUIを使った改良が中心になる。WinUIを使うことで、表現力が高まり、画像表示のためのギャラリー機能や新しいプレビューペインなどが可能になる予定。

Windows 11 Ver.23H2

Ver.23H2の目玉の1つが、エクスプローラーのWinUI2対応。高機能なUI部品を利用できるようになり、さまざまな機能が追加される予定。これは複数の場所から画像だけを集めて表示するギャラリー機能。Windows Vistaに搭載されたが、WinFSが搭載されなかったため、中途半端になってしまったライブラリを彷彿とさせる

 ダイナミックライティングは、ゲーミング用のキーボードやマウスなどのLED照明を制御する仕組みである。これまでは各メーカーがそれぞれ制御アプリケーションを用意し、色や点灯パターンなどを設定していた。また、ゲームなどとの連携も各社がSDKなどを提供する必要があった。これをWindowsで統一的に扱うようにするのがダイナミックライティングである。Windowsで標準の設定画面とLED照明制御アプリ用のAPIを用意する。

 このために「設定」→ 「個人設定」に「Dynamic Lighting」ページが追加されている。対応ハードウェアは、USB HID LampArrayで、Human Interface Deviceの1種。定義はすでにUSB Implementer's Forumでなされている。

Windows 11 Ver.23H2

Dynamic Lighting(ダイナミックライティング)は、ゲーミングマウスやキーボードに組み込まれているLED照明機能をWindowsとして標準的に扱うもの。USB HID LampArrayデバイスを対象として、基本的な設定ページが用意され、LED制御用アプリ向けのAPIも制定される

 5月に始まったとはいえ、新機能が入りだしたのは、7月13日、21日のここ2回のプレビューあたりから。その概要を公開したWindows Insider Blogの該当ページが以下だ。

●Announcing Windows 11 Insider Preview Build 22621.2050 and 22631.2050(英語)
●Announcing Windows 11 Insider Preview Build 22621.2048 and 22631.2048(英語)

 8月は新機能を搭載したビルドのプレビューが続くはずだ。この感じでは、リリースギリギリまで新機能の追加があると考えられる。というのも、すでにCanary/Devチャンネルでプレビューが進んでいるものも多いからだ。細かな話は、もう少し仕様が固まってからを予定している。

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