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理研が世界最速の遺伝子検査法、ウイルス8種類を15分で自動検出

2023年06月14日 13時30分更新

文● MIT Technology Review Japan

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理化学研究所の研究チームは、生体試料から直接ウイルスを検出できる世界最速の非増幅遺伝子検査法「Direct-SATORI法」を開発。生体試料から8種類の病害ウイルスを15分間で直接検出できる全自動遺伝子検査を実現した。

理化学研究所の研究チームは、生体試料から直接ウイルスを検出できる世界最速の非増幅遺伝子検査法「Direct-SATORI法」を開発。生体試料から8種類の病害ウイルスを15分間で直接検出できる全自動遺伝子検査を実現した。 研究チームは2021年度に世界最速の遺伝子検査法である「SATORI法」を発表した。しかしSATORI法では、別の装置を用いて、ウイルスの遺伝子をあらかじめ抽出・精製する必要があった。そのため、臨床現場で生体試料を採取してから全工程を完結するのに最低でも30分間以上の時間を要していた。 同チームは今回、Direct-SATORI法において、界面活性剤の添加と5分間の加熱処理によって生体試料からウイルス遺伝子を迅速に抽出する新手法を開発。従来の遺伝子検査の律速であった遺伝子抽出・精製と遺伝子増幅の工程を省略できるようにすることで、検出時間を大幅に短縮すると同時に、多種ウイルスを並列/多項目検出できるようにした。 さらに、2022年度に開発した全自動装置「opn-SATORI装置」向けに、8種類の病害ウイルスを並列検出するための新自動機構を開発した。トマトの葉を用いた検証実験では、8種類の病害ウイルスを15分間で全自動検出することに成功。検出時間は、従来法(PCR法)と比べて10分の1以下まで短縮し、感度96%、特異度99%を達成した。 今回の成果は、ウイルス病の診断を含む次世代の遺伝子検査法として、農業から医療に至る幅広い分野で実用化されることが期待されるという。研究論文は、科学雑誌「アナリティカル・ケミストリー(Analytical Chemistry)」オンライン版に2023年6月12日付けで掲載された

(中條)

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