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造血幹細胞移植後の合併症の発症リスクをAIで予測=京大など

2023年05月31日 16時50分更新

文● MIT Technology Review Japan

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京都大学、日本造血細胞移植データセンター、名古屋大学などの研究グループは、同種造血幹細胞移植(HSCT)後の急性移植片対宿主病(GVHD)発症リスクを予測する人工知能(AI)モデルを開発した。難治性の血液疾患に対する治療法であるHSCTは合併症が多く、ドナー由来の免疫が患者の組織を攻撃してしまうGVHDは特に移植後早期に高頻度に見られる合併症の1つとなっている。

京都大学、日本造血細胞移植データセンター、名古屋大学などの研究グループは、同種造血幹細胞移植(HSCT)後の急性移植片対宿主病(GVHD)発症リスクを予測する人工知能(AI)モデルを開発した。難治性の血液疾患に対する治療法であるHSCTは合併症が多く、ドナー由来の免疫が患者の組織を攻撃してしまうGVHDは特に移植後早期に高頻度に見られる合併症の1つとなっている。 研究グループは、HSCTを実施している全国の医療機関から、HSCT後の患者1万8763名分のデータを収集。畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を利用して構築したAIモデルを、ランダムに抽出した訓練データで訓練し、訓練データとは独立したテスト群のデータで性能を確認した。その結果、HSCT後100日目におけるグレードIII〜IV(IVが最重症)の急性GVHDの累積発生率は、AIモデルが高リスクと判断した患者群では28.8%、低リスクと判断した患者群では8.4%となった。 今回開発されたAIモデルでは、個別の症例についてどのような根拠で急性GVHDのリスクが高いと判断したのかを、人間が理解できる形で出力させることにも成功している。また、従来は急性GVHDのリスクを考えるときはのヒト白血球抗原(HLA)を適合させることが重要視されていたが、AIモデルによる判断を検証したところ、HLA情報以外の移植前要因も重要であることが明らかになったという。 研究成果は5月16日、コミュニケーションズ・メディシン(Communications Medicine)にオンライン掲載された。

(笹田)

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