業務を変えるkintoneユーザー事例 第160回
ITがわからなくても使える。感動すると人ってやる気が出る
受け身なユーザーがなぜ意欲的に?災害支援の法則から考えるkintone活用法
2022年10月14日 09時00分更新
災害支援の法則から考えるkintone活用の3つの法則
kintoneの導入効果は、高取氏が「kintoneの前と後で全然違います。古代と現代の違いぐらいです」というほど大きかった。まずはブリーフィング時間が0になった。以前は各書式の説明に手間がかかり、医療従事者の時間を奪っていたのが、kintoneで共有するだけで済むようになったのだ。
従来はメンバー表や書式説明をメーリングリストで送付していたのだが、kintoneで共有することでメーリングリストでの資料配付もゼロになった。
平時の残業時間は月に26時間程度あったのだが、これもゼロになった。会員の名簿更新時間もメールで依頼していた時代は年間1040分かかっていたのが、今では60分に圧縮。94.2%の時短を実現したのだ。
訓練の準備時間も短縮された。これまでは、準備に1ヵ月くらいかかっていたのだが、kintoneを試用した派遣シミュレーションを利用することで、提案から会員募集、訓練の開催まで4日間で済むようになったのだ。
今後は、電波のない被災地でもオフラインで利用できるようにしたり、会員のITリテラシーを向上したり、他団体のkintone導入を支援していきたいという。すでに、他のNGOからkintoneの使い方を教えて欲しいというオファーを受けているそう。
「kintone活用の3つの法則をまとめました。巻き込まれに行くということ、慣れたやり方や職場の文化を尊重するということ、困っている現場を支援することです」(高取氏)
この法則は、災害支援の法則「スフィア・スタンダード(人道支援の現場において支援者が守るべき最低基準)」が原点になっており、その行動規範10の原則から、3つを紹介してくれた。
5、私たちは、文化と慣習を尊重する。
6、私たちは、地域の対応能力に基づいて支援活動を行なうように努める。
7、支援活動による受益者が支援の運営に参加できるような方策を立てることが必要である。
「これはkintoneを浸透させていくやり方とすごく似てるように思います。kintoneの担当者とユーザーの関係に当てはめてみる、というのが私の提案です。kintoneをそうやって活用すれば、きっとみんなの喜びが広がっていくと思います」と高取氏は締めた。
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