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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第686回

AIプロセッサー「GAUDI 2」と「GRECO」が年内に登場予定 インテルCPUロードマップ

2022年09月26日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII

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GAUDI 2は2022年第4四半期に出荷

 出荷に関しては、オンプレミス向けにはSuper Microが8枚のGAUDI 2を搭載したシステムが今年第4四半期に出荷するとしている。このシステム(の下半分)は会場でも展示された。

Super Microのシステム。かなり背が高いが、これは冷却のために必要な分を確保したからのようだ

シャーシの下半分。8枚のOAMの半分だけが装着されている

OAMのアップ。6つのHBM2スタックがよくわかる。右にあるのはLatticeのFPGAで、ファームウェア制御用だろうか?

 ところでHabana Labsの製品の場合、ソフトウェアはインテルのOneAPIやOpenVINOではなく、独自のSynapseAIを利用する。

将来的にはOneAPIなりOpenVINOと統合の方向なのかもしれないが、短期的にはまったく別である

 このSynapseAIを使う場合、例えばTensorFlowのモデルだったら冒頭に2行追加するだけでSynapseAIを利用してGAUDI 2を活用できるようになるという話であった。

要するにload_habana_moduleというモジュールを呼び出すだけである

第2世代GOYAはGRECOに名称変更

 トレーニング/推論向けのGAUDIがGAUDI 2になったので、推論専用のGOYAはGOYA 2になったか? と思ったら、なぜかGRECOになった。

名称を変更した理由は不明。ちなみにGRECOの製品ページはあるのに、なぜかProducts→Inferenceからリンクされていない

 GRECOもGAUDI 2同様に7nmプロセスに移行、オンチップメモリーの増量やLPDDR5の搭載、INT 4のサポートなど、さまざまな機能強化が施されているが、最大の特徴は200W→75Wに減った消費電力である。

 この結果として、2スロット/フルレングスだったGOYAのPCIeカードは、GRECOでは1スロット/ハーフレングスに小型化されている。

サイズ感的にはQualcommのCloud AI 100と似た感じに収まっている

 実際GOYAのカードの実物はかなりごっつく、強制空冷が必要な構成だったのに対し、GRECOはかなりシンプルな構造になっている。ちなみにGRECOは今年後半に発売予定となっている。

カード後端に強制空冷ファンを取り付けるという苦肉の策である。風量は確保できるかもしれないが、猛烈にうるさそうだ

LPDDR5×4のパターンが基板上に見える。後端に見えるのは補助電源コネクターというよりファン接続用コネクターに見える

 というわけで、2023年以降のインテルは、Intel ArcやCPU/VPUと、Habana LabsのGAUDI 2/GRECOの組み合わせでAIソリューションを提供していく、という方針が明確に示された説明会であった。

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