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結核菌を選択的に殺す新たな抗生物質を発見=信州大など

2022年08月25日 06時26分更新

文● MIT Technology Review Japan

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信州大学とノースイースタン大学(Northeastern University)などの共同研究チームは、線虫共生細菌から、結核菌を特異的に殺す新しい抗生物質を発見した。簡易的な動物実験から、同抗生物質がマウスの生体内でも活性を失うことなく病原菌の生育を阻止することがわかっており、将来的な結核薬のリード化合物として期待される。

信州大学とノースイースタン大学(Northeastern University)などの共同研究チームは、線虫共生細菌から、結核菌を特異的に殺す新しい抗生物質を発見した。簡易的な動物実験から、同抗生物質がマウスの生体内でも活性を失うことなく病原菌の生育を阻止することがわかっており、将来的な結核薬のリード化合物として期待される。 研究チームは、線虫共生細菌フォトラブダス属およびゼノラブダス属をスクリーニング源として抗生物質を探索し、フォトラブダスから結核菌にのみ活性を示す新しい抗生物質イヴィバクチン(Evybactin)を発見。イヴィバクチンが結核菌のBacAトランスポーター(親水性分子の取り込みに関与)によって細胞内に取り込まれ、細菌のDNA複製に必須の酵素であるDNAジャイレースの働きを阻害することで結核菌を死に至らしめることを明らかにした。 結核は現在でも発展途上国を中心に大きな脅威となっており、WHOによると2020年は年間990万人が感染し、150万人が死亡している。結核の治療には抗生物質のカクテルが利用されているが、長期間使用することで、対象外の細菌から薬剤耐性変異株が出現する可能性などが危惧されており、結核菌にのみ活性を示す抗生物質の発見が待たれていた。 研究成果は、英国科学誌のネイチャー・ケミカル・バイオロジー(Nature Chemical Biology)のオンライン版に2022年8月22日付けで掲載された

(中條)

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