前回の連載「au通信障害 iPhoneとAndroidで違いが出た理由」において「あれは違う」という関係者の声が入ってきた。
前回の記事では、auの通信障害において「iPhoneはデータ通信は利用できたが音声通話は利用不可。一方でAndroidはデータも音声もどちらも使えなかった」ことの理由について、「AndroidスマートフォンはSnapdragonを使っており、音声とデータをモデムが内蔵されたひとつのチップで処理しているが、iPhoneはアプリケーションプロセッサとモデムが別々なのでデータ通信は利用できた」という関係者の「仮説」を紹介したのだった。
しかし、その記事に対して、別の関係者から「そうじゃない」という物言いが入ってきたのだ。
KDDIのネットワーク仕様による違い
別の関係者によれば、
「KDDIは仕様として、スマートフォンからネットワークに接続する際、VoLTE(音声通話)をつないでからIMSに登録され、その後、データ通信が流れるようになっている。つまり、VoLTEがつながらないことにはデータは流れないということになる。Androidスマートフォンはその仕様にきっちりと準拠している。しかし、iPhoneはそうした仕様とは関係なく、VoLTEもデータも接続できるようになっているため、VoLTEはつながらなくてもデータ通信は利用できたようだ」
というのだ。
結局、モデムとはチップとかは関係なく、「KDDIのネットワーク仕様」によるところが大きいようだ。仕様をきちんと満たしている、キャリアに納入しているAndoridスマートフォンには大きな影響があったが、そうではないiPhoneやKDDIの仕様を満たしていないSIMフリーのAndroidスマートフォンは影響が少なかった、という背景があったようだ。
今回、関係者の「仮説」を記事化したことで、別のところから、新たな「証言」が入ってきたことになる。一体、真実はどこにあるのか。7月29日に開催されるKDDIによる「通信障害に関する説明会」を待ってみたい。
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