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iPhone 13シリーズ「意外なカメラ便利機能」をピックアップ!

2022年02月18日 12時00分更新

文● 山本 敦 編集●飯島恵里子/ASCII

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カメラアプリの設定に入り「Apple ProRAW」の設定をオンにします。カメラアプリで写真を撮影する際に「RAW」のアイコンを有効化。撮影された写真に表示される「RAW」のアイコンで見分けが付きます。iOS標準の写真アプリで簡易な編集が楽しめます

Apple ProRAWで写真表現の幅が広がる

 iPhone 13 Proと2020年発売のiPhone 12 Proシリーズは、iOS標準のカメラアプリを使ってApple ProRAWと名付けられたRAWフォーマットの写真が記録できます。RAWフォーマットの画像データには、iPhoneのイメージセンサーが捉えた画像信号に圧縮加工を施さず、豊富な情報量を保ったままの生データが記録されます。Apple ProRAWによる撮影時にも、iPhoneのNeural Engineによる機械学習アルゴリズムにより、同一フレームに写るすべての人の肌や服の色合いを自然に調整するスマートHDR4、露出やディティール再現を最適化するDeep Fusion、暗所をきれいに撮るナイトモードなどの機能が働きます。

左側が元の写真。ガラス窓越しに撮影したため、実際に目で見る風景よりも暗く青みがかってしまいました。無料のAdobe LightroomによりRAW画像データの加工編集。色合いや明るさを調整してJPEG画像として書き出せます

 例えば逆光に包まれたランドマーク、少し暗い場所で撮る人物写真など、Apple ProRAWフォーマットで撮影しておけば、豊富な画像情報を元に、後から「写真」アプリで色合いや明るさをより細かく調整できます。

 iPhone 13 Proシリーズではメインのトリプルレンズカメラ、およびフロント側のTrueDepthカメラの両方でApple ProRAWフォーマットによる撮影が可能です。撮影方法はカメラを立ち上げて、写真撮影モードの画面に右上表示される「RAW」アイコンをタップして有効化します。

 Apple ProRAWで記録すると、ファイルのデータサイズがHEIFやJPEGなどスタンダードな形式よりも大きくなります。従って、RAW撮影を活用してみたい方は内蔵ストレージが大きめなiPhoneを選ぶ必要があります。

 RAWフォーマットの画像は、一般的なJPEG画像データに書き出す前にRAW現像という行程を経て、明るさや色合い、ホワイトバランスなどを調整したうえで、JPEG形式のファイルに書き出すと、ファイルをシェアしたりSNSに公開して楽しめます。

暗い場所を明るく色鮮やかに撮れる「ナイトモード」。暗い場所でカメラの写真モードを選択すると自動的に起動しますが、露光時間を任意に長く/短く設定することも可能です

 RAW現像はiOS標準の「写真」アプリに簡単な機能があります。写真を撮って、JPEGデータに書き出しからSNSなどへシェアするまでが、iPhone単体で完結します。RAW画像の記録までができるデジタルカメラに比べると、体験は大きく異なってきます。プロのカメラマンにもぜひiPhoneによるApple ProRAW撮影の醍醐味を味わってほしいと思います。iPhoneの写真アプリよりも緻密なRAW現像を行いたい場合は、アドビが無償で提供するiOSアプリの「Adobe Lightroom」を使う方法もあります。

iPhone 13シリーズから追加された「フォトグラフスタイル」は、静止画撮影の前に好みの色合いと寒暖のバランスを自動調整できる機能。一般的な「フィルター効果」との違いは、フレーム内の被写体を自動解析して人物のスキントーンには手を加えないところ。機械学習により写真の適材適所に効果をかけます

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