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末岡洋子の海外モバイルビジネス最新情勢 第288回

企業向けスマホも「aaS」でサブスクの時代 ドイツ発ベンチャーeverphoneが2億ドル調達の理由

2021年12月17日 12時00分更新

文● 末岡洋子 編集● ASCII

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環境への意識が強まる中で確実に伸びが期待される
リファービッシュ/中古市場

 本連載の前回では「修理できる権利」とアップルの対応としてのセルフ修理サービスについて取り上げたが(「アップルが米国でiPhoneのセルフ修理サービスを発表 「修理する権利」を求める動きが活発に」)、壊れたパーツを取り替えたり修理して新品に準じる状態にするリファービッシュ市場は成長している。

 2020年は2億2600万台のスマートフォンがリファービッシュとして新たに販売された。これにより、1300万トンのCO2排出を節約できたという。

 実際に、整備済みスマートフォンはそれなりの市場に成長しているようだ。Counterpointによると、2020年は新型コロナで需要が増加、供給も増加して前半(1~6月期)は前年同期比4%増(台数ベース)と報告している。メーカー別ではアップルの需要が急増しているそうだ。アップルの新品でのシェアは10パーセント台だが、中古では44%(2020年7~12月期)と大きい。中古品のASP(平均販売価格)も突出しており、アップル人気は健在だ。人気の背景にはコストだけではない。欧州ではサーキュラーエコノミーへの理解が広まっていることもあるとのことだ。

 中古スマートフォンとしてこの市場を調査しているIDCでも、2019年から2024年までの6年間で、年平均11.2%で成長すると予想している。2024年の市場規模は3億5160万台と見ている。新品市場の1/4に相当する台数だ。

 Counterpointのグラフを見ると、日本は市場規模が小さい。先日のアマゾンのブラックフライデーでは多くの整備済み製品を見かけたが、日本でも今後このカテゴリーが一定の市民権を得る可能性は十分にありそうだ。

Counterpointのデータより。日本ではまだまだ中古端末市場が小さいことがわかる。どこまで受け入れられるかはともかく、成長の余地はあると言えそうだ

筆者紹介──末岡洋子

フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている

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