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業界人の《ことば》から 第452回

ブロードバンドは人権なのか、オードリー・タン氏が取り残さない社会を作る技術を語る

2021年09月28日 11時00分更新

文● 大河原克行 編集●ASCII

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眠って目覚めた時が解決とイノベーションの瞬間

 タン氏は、毎晩8時間の睡眠をとるという。

 「7時間しか睡眠がとれなかった場合には、その日のうちに、どこかできちんと補う」とし、「これはジョークではなく、本当に実行していること」と笑う。

 その理由を次のように語る。

 「私は、昼間は共感(エンパシー)を持って、人の話に耳を傾け、いろいろな話を聞くようにしている。だが、その場で判断はしない。それが課題解決策だともいわない。起きているときに、解決しようとはしない。ひたすら耳を傾け、彼らの視点に立って、眠りにつく。すると、朝起きると新しいイノベーションが起きていることがしばしばある」

 続けてこう語る。

 「きちんと睡眠がとれないと、同情(シンパシー)しか持てない。つまり、その人の意見や答えに引きずられてしまう。簡単にその人の味方になってしまう。だが、十分に寝たあとは、元気であり、元気であれば共感できる。十分な睡眠をとれば、私もパランスをとって考えることができる。シンパシーではなく、エンパシーをもとに考えることができる」

 8時間の睡眠は、正しい判断をするためには必要不可欠なものというわけだ。

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