若干GeForceが有利な「Anno 1800」
「Anno 1800」はFSR提供開始早々に対応を果たしたゲームだ。これもThe Riftbrakerと同様に、まずはフレームレートの違いを見てみる。APIはDirectX 12、画質は最高画質設定とし、Anno 1800と同時にインストールされるベンチマークツールで検証した。ログに記載されるベンチマークシーケンス全体の平均フレームレートで比較する。
FSRオフ時のフレームレートから分かる通り、Anno 1800では同格のRadeon/GeForceで比較した場合GeForceの方はフレームレートが出やすい傾向がある。そしてFSRを利用した状態でも、その傾向は一切変化せずフレームレートが伸びる。ただFSRオフ時を100%とした時の平均フレームレートの伸びに注目すると、RX 6800 XTが154%/183%/221%(それぞれフルHD/WQHD/4K時)なのに対し、RTX 3080では143%/181%/227%となり、フルHD〜WQHDではRX 6800 XTの方がFSRのメリットをわずかに強く享受できる。
4KではRTX 3080の方が伸びるのはこれまでのRX 6800 XTレビュー(前編:https://ascii.jp/elem/000/004/034/4034588/、後編:https://ascii.jp/elem/000/004/035/4035398/)でも観測されていることであり、RX 6800 XTのメモリーバス幅の狭さがボトルネックに起因すると考えられる。
ではRX 6800 XT環境でAnno 1800の画質比較に入ろう。まずはフルHDから。
FSRの設定をPerformance寄りにするほど建物や堤防などのディテールが粗くなるが、FSR Quality設定より上にすると粗もそれほど目立たなくなる。続いて4K時の画質も見ておこう。こちらも帯域を節約するためリンク先の画像はフルHDに縮小して掲載している。
4KだとFSR Performance設定時でも(フルHDほど)粗が目に付かない。若干眠い感じがする程度に収まっている。3解像度&5 FSR設定それぞれの画質の違いを一覧化した画像も見ておこう。
フルHDでFSRを使うと内部解像度低下による画面のボケ感が目立つが、WQHD→4Kと解像度が上がるほどにFSRを強めに(Performance寄りに)設定してもボケ感は目立たなくなる。フルHD&FSRオフ時の画質なら、WQHDならFSR Ultra QualityまたはQuality設定で、4KならばBalancedやPerformance設定が同等といえるラインとなるだろう。
最後に4Kプレイ時におけるVRAM消費量を比較しておこう。
Anno 1800の場合4K&FSRオフでもVRAM消費量は6GBに満たないが、FSRをPerformance設定にすることでVRAM消費量を1GB減らすことができた。だがフレームレートが上がった分CPU占有率は9%→17%に増大している。
この連載の記事
-
第442回
デジタル
ローエンドビデオカードの選択肢のひとつとなるか!? Radeon RX 6500 XTに8GB版が追加 -
第442回
自作PC
内蔵GPUを削除したRyzen 7 8700FとRyzen 5 8400Fに存在価値はあるのか? -
第441回
自作PC
いまどきのゲーミングPCでマザー側の映像出力に繋ぐのはあり/なし?古の禁忌に踏み込む -
第440回
自作PC
インテルCPUを安全に使える設定?「Intel Baseline Profile」のパフォーマンスを検証【暫定版】 -
第439回
自作PC
暴れ馬すぎる「Core i9-14900KS」、今すぐ使いたい人向けの設定を検証! -
第438回
デジタル
中国向け「Radeon RX 7900 GRE」が突如一般販売開始。その性能はWQHDゲーミングに新たな境地を拓く? -
第437回
自作PC
GeForce RTX 4080 SUPERは高負荷でこそ輝く?最新GeForce&Radeon15モデルとまとめて比較 -
第436回
デジタル
環境によってはGTX 1650に匹敵!?Ryzen 7 8700G&Ryzen 5 8600Gの実力は脅威 -
第435回
デジタル
VRAM 16GB実装でパワーアップできたか?Radeon RX 7600 XT 16GBの実力検証 -
第434回
自作PC
GeForce RTX 4070 Ti SUPERの実力を検証!RTX 4070 Tiと比べてどう変わる? -
第433回
自作PC
GeForce RTX 4070 SUPERの実力は?RTX 4070やRX 7800 XT等とゲームで比較 - この連載の一覧へ