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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第608回

第3世代EPYCとThreadripper Proで猛攻をかけるAMD AMD CPUロードマップ

2021年03月29日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII

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サポートされるメモリー種類が大幅に増えた
Ryzen Threadripper Pro

 最後が3月26日に発売開始となったRyzen Threadripper Proの話題を。といってもAMDからはリリースすら出ておらず、やや寂しい船出ではあったのだが。

 もともとRyzen Threadripper Proは2020年7月に発表になったが、この時はOEM供給のみという話で、CPUのみの単体販売は予定されていなかった。

 ところがその後方針変更で、CPUのリテール販売を認めることにして、やっと発売が開始された格好だ。ちなみに価格の方はなかなかすさまじいが、そのままの金額での発売である

これは予価なので実売はどうだろう? と思ったが、このままの金額での発売となった

 ちなみにこの金額にはCPUクーラーおよびマザーボードは含まれていないので、ハイエンドのThreadripper Pro 3995WXにマザーとクーラー、さらにメモリーまで加えると簡単に100万円オーバーの世界である。

 従来のRyzen ThreadripperやインテルのXeon Wとの比較が下の画像だ。型番からわかるように、これはまだZen 2コアベースの製品ではあるが、メモリーが8chに、PCI Expressが128レーンになった。

サポートされるメモリー種類が大幅に増えたのが特徴。ただメモリー容量は最大2TBになっている

 これは従来のRyzen Threadripperの倍であり、ここが最大の差別化ポイントである。もっとも従来のThreadripperは、このメモリーとPCI ExpressをEPYCの半分に減らしたことで価格を下げていたという側面もあるのだが、これがEPYCと同様になったことで価格も跳ね上がったのは致し方ないところだろう。

 もうこうなってくると(Twitterにハイエンドマシンを投入する林提督のような猛者が少なからずおられることは存じ上げているが、それはそれとして)用途は当然ながらワークステーション向けである。

 AMDからはSPECViewPerf 13、AfterEffects/Premire Pro、Luxion Ketshot、SPECapc、Unread Engine/Chromiumなどの性能が示され、コストパフォーマンスが非常に高いことがアピールされていた。通常このあたりはもう企業での利用が主だとは思うが、Xeon Wシリーズに対する強力な競争相手となる形だ。

このテストの場合、むしろGPUの性能の方が問題になるのだが(CPUは単に表示させるだけ)、逆にここまで性能が違うというのはCPUというよりもI/F側の問題な気もする。ところで脚注を見てもGPUに何を使ったのか書いてない

テストシナリオは不明。UL Procyonというわけでもなさそうだ

こちらもテストシナリオは不明

こちらはSolidworks 2019/Siemens NX9・NX10を実際に利用したアプリケーションテストの結果。それはいいのだがXeon Gold×2がないのはなぜだろう?

これはChromiumおよびUnreal Engineのコンパイル時間の測定。対Xeon Gold 8280×2

テスト項目はPhoto27と同じだが、こちらはXeon W-3275との比較

 先の記事にもあったが、ASUSの「Pro WS WRX80E-SAGE SE WIFI」とSuperMicroの「M12SWA-TF」(なぜ企業名がSuperOなんだろう?)の2製品はすでに発売が開始されている。これに加え、GIGABYTEの「WRX80-SU8-IPMI」も今年1月にアナウンス済であり、遠からず市場投入されそうである。

GIGABYTEの「WRX80-SU8-IPMI」の予価は不明。ただまぁ10万前後と考えておけば無難だろう

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