●「対応するかどうかはメーカーさん次第」
KDDIの髙橋誠社長は「デジタルネイティブな方が使いやすい姿を想像すると、端末に関係なく、通信だけをスマホのアプリのひとつで加入したり、プランを変えたり、サービスをバンドルしたりするといった世界観が広がる。MVNOでやっていくことで、幅広い方へ届くのではないか」としている。
総務省の「アクション・プラン」でも利用促進が掲げられるなど、ここにきて一気に注目を浴びているeSIM。これまでのプラスティックカードによるSIMカードに比べて、ネットで申し込めばすぐにスマホにSIMカード情報をダウンロードして、回線を開通できるという手軽さが売りだ。
iPhoneにおいては、すでに2018年発売のiPhone XS/XRなどからeSIMに対応済みだ。メーカーの幹部によればAndroidスマホは「キャリアがeSIMに対応させてくれない」らしいが、KDDI高橋誠社長は「端末と料金はすでに分離されている。対応するかどうかはメーカーさん次第」 と反論する。
とはいえ、総務省が「アクション・プラン」にeSIMの利用促進を盛り込んだことで、Androidスマホも早晩、eSIMに対応してくることだろう。
●eSIMといえば楽天とIIJが強い
現状、eSIMにおいて、国内3キャリアはApple Watchなどへの対応は積極的だが、スマホへの対応には目を背けてきた感がある。やはり、eSIMに対応すると「顧客に逃げられる」という不安感があるのだろう。
そんな中、国内でeSIMといえばMNOでは楽天モバイル、MVNOではIIJだ。
楽天モバイルでは、新規参入ということで、3キャリアが展開していないeSIMに前のめりとなっており、同社オリジナルスマホ「Rakuten mini」「Rakuten BIG」はeSIMしか使えない。
IIJはフルMVNOになったことで、自社でSIMカードを発行できるからこそようやくeSIMに対応できるようになった経緯がある。
![](/img/blank.gif)
この連載の記事
-
第201回
スマホ
ソニー「Xperia 1 VI」はこだわりから“現実路線”に変わった -
第200回
トピックス
楽天モバイル 契約は絶好調だが、黒字化にはテコ入れが必要だ -
第199回
iPhone
アップル新型「iPad Pro」実物を見たら欲しくてたまらなくなった -
第198回
トピックス
ドコモ新社長は“経済圏”拡大より、ネットワーク品質とショップ網の再構築を最優先すべきだ -
第197回
トピックス
なぜソフトバンクやKDDIのネットワークは強いのか 「2.5GHz帯のTD-LTE」最強説 -
第196回
トピックス
F1の裏に“レノボ”あり 500TBのレースデータを高速処理 -
第195回
トピックス
格安スマホ、キャリアより「シンプルで安い」とふたたび注目 -
第194回
トピックス
中国スマホメーカー、日本への攻勢強める 格安折りたたみスマホで勝負 -
第193回
トピックス
ドコモが狙う“スマホの次“ iPhoneから「Vision」の時代へ -
第192回
トピックス
KDDI「povo」世界進出へ “黒子に徹する”新ビジネスとは -
第191回
トピックス
スマホ基地局を安くする ドコモとNECが世界展開する「オープンRAN」とは - この連載の一覧へ