アメリカのウェブ分析会社Net Applicationsによると、2019年12月の時点で、Windows 7のシェアは26.64%あるという。もちろん、日本市場では変わってくるかもしれないが、依然としてWindows 7を使い続けている人は少なくない。そういった状況において、2020年1月14日、マイクロソフトによるWindows 7のサポートが終了した。終了したからすぐに使えなくなるというわけではないが、これを機にPCの買い替えを検討しているユーザーも多いのではないだろうか。
そんな中、パソコンショップSEVENを運営するセブンアールジャパンは、Windows 7の買い替えに適した鉄板構成のモデル「ZEFT GF10」を発売するという。果たして、そのPCはどのような仕様なのか、代表取締役である西川 龍氏と、中嶋 孝昌氏に話を伺った。
「ZEFT GF10」
「ZEFT GF10」の主なスペック | |
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CPU | Core i9-9700(定格クロック3.0GHz,最大クロック4.7Hz,8C8T,キャッシュ容量12MB) |
ケース | Antec P7 Silent |
CPUクーラー | 静音CPUクーラー(空冷) |
マザーボード | Intel H370搭載 |
メモリー | 16GB PC4-21300(DDR4 SDRAM、8GB×2)、スロット数4のうち2スロット使用 |
グラフィックス | GeForce GTX 1660 SUPER 6GB GDDR6(2スロット使用) |
ストレージ | 500GB SSD(Crucial「P1 CT500P1SSD8JP」、NVMe) |
有線LAN | 1000BASE-T LAN |
無線LAN | Wi-Fi6(IEEE801.11ax、ASRock AX200) |
電源ユニット | 500W(80PLUS Bronze認証) |
OS | Windows 10 Home(64ビット) |
ユーザーからの要望はCPU性能を重要視する傾向
500GBで足りないユーザーは少ない
――今日はよろしくお願いします。Windows 7の買い替えに適したPCというと非常に漠然としているのですが、具体的には何をもって適しているのでしょうか?
中嶋氏:今回、Windows 7の買い替えモデルを検討する際に、最も重視したのはユーザーさんの“声”です。1月14日にWindows 7のサポートが終了しましたが、昨年秋ごろより買い替えを検討しているお客様からご相談が増えてきました。そうしたお客様で多かった要望を詰め込んだマシンが今回の「ZEFT GF10」となります。
――ということはCPUに「Core i7-9700」を望む声が多かったということですか?
中嶋氏:総じてなんですが、Windows 7からの買い替えについてお問い合わせいただくお客様は、ビデオカードよりもCPU性能に重きを置く方が多いです。その中でも、ゲーム中心というよりは、ウェブブラウザーや表計算、それに写真や動画を編集したいといった用途のお客様からのご相談をたくさんいただきました。こういったお客様のほとんどが、“いいCPUが欲しい”とおっしゃいます。
――“いいCPU”というのは非常に抽象的ですね。“いい”という判断基準はあるのですか?
中嶋氏:もちろん、お客様が考えている“いいCPU”について具体的な話を伺います。ありがたいことに問い合わせをいただくユーザーさんの半分以上は、昔、弊社のPCを購入してくださった方々でした。
――リピーターの方が多いということでしょうか?
中嶋氏:はい。3年前や5年前に弊社のPCを購入してくださり、現在まで何のトラブルもなかったので、今回の買い替えも弊社のPCを検討していただいているようです。その場合は、弊社に前回購入いただいたPCのデータが残っていますので、“いいCPU”についても、同等かそれよりグレードの高いCPUを提案させていただいています。CPUのコア数や動作クロックまで踏み込んで相談いただく場合もありますが、コア数が多い方向で話を進めさせていただくことがほとんどです。
――そういったいきさつがあってi7-9700を選択したのですか?
西川氏:選んだ理由の1つは、やはりCore i7の指名度の高さですね。お問い合わせをいただく中にはPCに関してあまり詳しくない方もおられますが、“Core i7”という名前は聞いたことがある、信頼できるという印象を持っている方が多いです。それに加えて、i7-9700Kのように“K”付きのモデルナンバーはオーバークロックに適したCPUである旨を説明しますと、そこまでは必要としないので最終的にKなしのi7-9700を選択されるお客様が多いです。
――CPUクーラーは簡易水冷ではないのですね。
中嶋氏:はい。サイズさんの空冷クーラー、虎徹を選択しています。やはり、簡易水冷クーラーは水漏れを心配する声が多いです。ただ、Windows 7の買い替えを検討されているお客様の用途をお聞きしたところ、CPUに高負荷を掛け続けることがあまり多くないようです。ですので、お客様の心配を拭いきれない簡易水冷クーラーよりは、空冷クーラーを選択しました。ですが、それで問題が起きることはまずないはずです。
――PCの動作音についてはいかがですか?
中嶋氏:動作音に関するお問い合わせは非常に多いです。弊社のBTOでは、ケースのラインナップが非常に豊富であることが特徴的だと自負しています。ですが、どれが一番静かなケースなのかとお問い合わせいただくことがあります。そこで、今回は最初から静音性が高いケースをということで、Antecの「P7 Silent」を選択しています。このP7 Silentは、サイドパネルの内側に吸音材が貼付された遮音パネルを装備し、高い静音性を発揮するのが特徴です。すべてのパーツで静音性に特化しているというわけではないのですが、でき得る限りのコストに見合った静音性を実現しています。実際このケースは過去に当店で数百台の出荷実績があり、すでにOSのインストールや動作テストを行なっています。動作音はあまり気にならないレベルですね。
――価格的には税込みで15万円を切るあたりがユーザーさんの注目度が高いのですか?
西川氏:そうですね。HDDの追加などの多少のBTOを選択して、15万円以内というご予算でご相談いただくお客様は多いです。お客様のカスタマイズの余地も考慮して税抜きで12万9800円でまとめています。
――Windows 7からの買い替えですと、企業からの需要も高そうですが、そのあたりはいかがでしょうか? 実際に企業から問い合わせがあったりするのでしょうか?
西川氏:はい。ありがたいことに企業様からも多くのご注文をいただきまして、Windows 7の買い替えとして12月と1月はご注文が多かったですね。
――そういった企業は、Windows 7からの買い替えで、PCのどのスペックを重視するのでしょうか?
西川氏:これは業種にも拠ると思うですが、弊社に発注いただいた企業さんに関して言いますと、クリエイティブ用途でGPUにこだわりたいというご要望は多かったですね。
――なるほど。ビデオカードを必要としない需要が多いのかと思いましたが違うのですね。
中嶋氏:そういったお問い合わせをされるお客様もいらっしゃいます。今回の「ZEFT GF10」は、BTOでも“ビデオカードなし”を選択することはできないのですが、そういったモデルも別途用意していますので、ビデオカードを必要としないお客様はそちらを選んでいただければと思います。
――Windwos 7からの買い替えですと、ビデオカードを搭載しない選択肢もアリなように思えるのですが。
中嶋氏:ビデオカードの分だけコストが下がるのは間違いないのですが、実際のところ、問い合わせの数自体はさほど多くないです。
西川氏:今回の「ZEFT GF10」は、ミドルタワー型のケースを採用していますが、この大きさですと、やはりユーザーさんはビデオカードを選ばれる方がほとんどですね。ビデオカードなしを望まれるお客様はスリムタイプのブック型を選ばれるのではないででしょうか。
――無線LANにWi-Fi 6を搭載していますが、これはユーザーさんからの要望が多いのでしょうか?
西川氏:ノートPCでは無線LANが標準搭載のものがほとんどです。スマホやタブレットにも当然搭載されています。ですので、デスクトップPCにも無線LANが標準で用意されていると思われるお客様もいらっしゃるようです。
中嶋氏:今回の「ZEFT GF10」では、Wi-Fi 6をBTOから搭載しない選択も可能となっており、その際は数千円ほど価格が下がります。搭載したほうがいいのか、しないほうがいいのかといった内容で、お客様からご相談いただくことはあります。そういったお客様にはWi-Fi 6だけでなく、Bluetooth 5.0も同時に使えるようになることをお伝えしています。Bluetooth 5.0で、キーボードやマウス、ゲームパッド、ヘッドセットなど周辺機器を利用したいというお客様は意外と多く、Wi-Fi 6ではなくBluetooth 5.0目当てでご購入された方もいます。
――なるほど。Bluetoothはスマートフォンでも使いますからね、周辺機器を流用しようと思うと、PCが標準でBluetooth 5.0に対応している点は魅力的ですね。
中嶋氏:はい。わざわざBluetoothアダプターをUSBポートに挿す必要もありませんので、USBポートが1つ埋まることもない点は本機の特徴の1つです。Windows 7からの買い替えでもBluetoothは魅力的に映ると思います。