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業界人の《ことば》から 第345回

パナソニックが苦言に反応「前はテスラがボトルネックだった」

2019年05月30日 09時00分更新

文● 大河原克行、編集●ASCII

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オートモーティブは格下げ事業に

 新中期戦略では新たな事業区分として、基幹事業、再挑戦事業、共創事業に分類した。

 基幹事業は利益額を拡大する事業と位置づけ、空間ソリューション、現場プロセス、インダストリアルソリューションを区分。売上高で4兆2000億円、営業利益で2800億円、EBITDAで3900億円を目指す。

 現場プロセスのなかにはPCなどのデバイスも含まれ、結果としてパナソニックの基幹事業を構成する要素の一角を、PCが担う格好になったといえるだろう。

 再挑戦事業は収益性改善を重視する事業とし、前中期戦略では高成長事業としていたオートモーティブおよび車載電池をここに区分。事実上の格下げとした。

 そして共創事業では、家電事業と住宅事業を区分。地域や他社連携を通じて、競争力の強化を図ることになる。

 共創事業に含まれた家電事業については、地域や事業の絞り込みをする姿勢を打ち出し、「パナソニックがすべての家電製品で強いとはいうわけではない。それを認識する必要がある。強みに集中することで、家電の競争力を維持、発展させていく」とした。

家電や半導体は抜本的な対策を図る

 さらにパナソニックの津賀社長は、新中期戦略のポイントとして「ポートフォリオマネジメントの実行」「経営体質の徹底強化」「目指す姿であるくらしアップデートを実現する会社」を目指すことをあげた。

 ポートフォリオマネジメントの実行では、事業ポートフォリオ改革に乗り出すとし、「共創による競争力強化」として、トヨタとの車載用角形電池事業の合弁会社や街づくり事業に関する合弁会社の設立をあげた。「収益性の改善」としては、ソーラー事業の開発、生産体制の最適化のほか、家電における地域や事業の絞り込み、半導体の収益体質の強化などによる低収益事業や赤字事業への抜本的な対策に乗り出すことを示した。

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