富士通のSEは協業が下手
「富士通には優秀な人材と、尖った技術やアイデアがある。それにも関わらず、それを統合したり、知恵を結集して、次の未来やステップを描いたりすることが難しい状況にある。この理由はなにか。
長年に渡って、お客様を第一とし、現場に強く、お客様に寄り添ったビジネスを行なう反面、アイデアを出しながら、次のテクノロジーでお客様の新たな価値を届けることが不得意になっていたためだ。お客様の要望を聞くことだけで、リスクヘッジするマインドセットが生まれていた。
これが、お客様を積極的にリードするメンタリティーにおいて、阻害要因になっている。かつては、メインフレームも、OSも、ミドルウェアも富士通製であり、すべてを富士通製でできることがプライドであり、それがお客様にとって一番いいことであると思っていた。
いまは、自前だけではできない時代であり、お客様が求めているのは自前よりもスピードである。いまは外の力を使って協業することが大切ではあるものの、富士通のSEはそこが下手である。これが正直な思いである。外をもっと使うんだということを後進に伝えていきたい」とし、グローバル展開についても、
「富士通が持つ、ひとつひとつの強いところを伸ばしながら、横の連携ができるマネジメントのメカニズムを定着させたい。グローバルビジネスは、堅調といえる状況にはない。世界8ヵ所のデリバリー拠点もうまく使いきれていない。それは自ら指揮をしてきて感じている点である。
8拠点を横に連携させ、現場からの知見をデリバリーやサービスを作り上げるメカニズムを通じて、お客様に近いところで新たな価値を届けたい。デリバリー拠点は発注者と受注者という上下の関係でビジネスを行ないがちだが、まずはお客様の近くに立つことが大切である。
グローバルと日本というように組織が分かれている状況も課題であり、いかに一体化して活動できるかが大切である。そうした活動ができるグローバルの組織にしたい」とする。
そして「日本のSEと同じような活動を、グローバルに行なうには、まだ時間がかかる。だが、そうした姿を目指したい」述べた。
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