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暴力動画「放置」でSNS企業幹部に禁固刑も、豪議会で新法案が可決

2019年04月06日 09時55分更新

文● Charlotte Jee

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ソーシャルメディア運営企業が暴力的なコンテンツの「迅速な」削除を怠った場合、運営企業の幹部に最長3年の禁錮刑、あるいは年間売上高の最高10%相当の罰金を科す——。こんな新法案がオーストラリア議会で可決された。

法案は「忌まわしい暴力的なコンテンツ」の定義として、テロリズム、殺人、殺人未遂、拷問、レイプ、誘拐などを挙げている。こうしたコンテンツをどれだけ早く削除すべきかについては明確にされていない。法案は、SNS運営企業に対し、こうしたコンテンツの「存在に気づいたら、妥当な時間内で」削除しなければならないとしている。法執行、訴訟手続き、芸術活動、ジャーナリズムなどを目的とするものは適用対象外となる。

オーストラリア人の銃撃者が3月15日、ニュージーランドのクライストチャーチにある2カ所のモスクで50人を殺害する様子をライブ配信した。新しい法律は、この銃乱射事件を受け、対策の一環として制定されようとしている。ライブ配信された動画は最長20分間と伝えられているが、ユーチューブに再投稿され、ネット上に拡散された。フェイスブックは事件発生から24時間以内に、拡散された犯行動画のコピー150万本を削除。オーストラリアのクリスチャン・ポーター司法長官は、新法案は「世界初」とし、他国が同様の法律を導入することを期待すると述べた。

この法案を巡り、5月の総選挙を前に議会通過を急いだとして議員からは批判の声が出た。準備が不十分だと批判する議員もいた。「多くの点で生煮えであり、欠陥のある法案です」と労働党のマーク・ドレフュス議員は述べた。同議員は、ソーシャルメディア企業が新しい法律に従うには「事前の積極的な監視」をせざるを得なくなる可能性があるとの懸念を示している。

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