2017年にリリースされた現行モデル
POWER9
さて最新の物が、2017年にリリースされたPOWER9である。まず基本的な特徴が下の画像だ。24コア構成で120MBの3次キャッシュeDRAMと48レーンのPCIe Gen4、さらにCAPI 2.0対応I/Fなどを搭載、総トランジスタ数は80億個に達している。
画像の出典は、HotChips 28におけるBrian Thompto氏(POWER Systems, IBM Systems)の“POWER9 Processor for the Cognitive Era”
ただこれはあくまで最大構成であり、しかも実際にはいろいろとバリエーションがある。
画像の出典は、HotChips 28におけるBrian Thompto氏(POWER Systems, IBM Systems)の“POWER9 Processor for the Cognitive Era”
上で24コア、と書いたがそれぞれのコアは4way-SMTに対応する形になっており、8-way SMTの場合には2コアがまとめて動作するので、見かけ上12コアとなる。なんかAMDのBulldozerを彷彿するような構成である。
画像の出典は、HotChips 28におけるBrian Thompto氏(POWER Systems, IBM Systems)の“POWER9 Processor for the Cognitive Era”
命令パイプラインにも大幅に手が入り、大分パイプライン段数が減った。
画像の出典は、HotChips 28におけるBrian Thompto氏(POWER Systems, IBM Systems)の“POWER9 Processor for the Cognitive Era”
POWER9を搭載した製品は、2017年12月に発表されたIBM Power System AC922が最初のものである。
これは“Accelerated Compute Server”と呼ばれるが、要するに上で書いたSummit/SierraというHPCシステム向けのベースとなるシステムで、1台のシャーシに16/18/20/22コアのPOWER 9プロセッサーを2つと、NVIDIAのTesla V100を2~6枚装着できる構成になっている。
これに続き、2018年にPower System S9xx(スケールアウト向け)、L9xx(Linux向け)、H9xx(SAP HANA向け)/E9xx(スケールアップ向け)と多数のラインナップが用意されており、現在も販売中である。
![](/img/blank.gif)
この連載の記事
-
第775回
PC
安定した転送速度を確保できたSCSI 消え去ったI/F史 -
第774回
PC
日本の半導体メーカーが開発協力に名乗りを上げた次世代Esperanto ET-SoC AIプロセッサーの昨今 -
第773回
PC
Sound Blasterが普及に大きく貢献したGame Port 消え去ったI/F史 -
第772回
PC
スーパーコンピューターの系譜 本格稼働で大きく性能を伸ばしたAuroraだが世界一には届かなかった -
第771回
PC
277もの特許を使用して標準化した高速シリアルバスIEEE 1394 消え去ったI/F史 -
第770回
PC
キーボードとマウスをつなぐDINおよびPS/2コネクター 消え去ったI/F史 -
第769回
PC
HDDのコントローラーとI/Fを一体化して爆発的に普及したIDE 消え去ったI/F史 -
第768回
PC
AIアクセラレーター「Gaudi 3」の性能は前世代の2~4倍 インテル CPUロードマップ -
第767回
PC
Lunar LakeはWindows 12の要件である40TOPSを超えるNPU性能 インテル CPUロードマップ -
第766回
デジタル
Instinct MI300のI/OダイはXCDとCCDのどちらにも搭載できる驚きの構造 AMD GPUロードマップ -
第765回
PC
GB200 Grace Blackwell SuperchipのTDPは1200W NVIDIA GPUロードマップ - この連載の一覧へ