M.2にはない新機能が
ホットスワップとデュアルポート
コネクターはM.2のものをそのまま利用しているが、M.2の規格では利用していないいくつかのピンを利用して、新たにPreChargeやPower Disable、それとデュアルポートを実装している。
このうちPreChargeやPower Disableはホットスワップ(Hot Plug/Hot Unplug)に対応する機能である。エンタープライズ向けストレージの場合は、当然RAIDなどを組むのが前提なので、システムに搭載したドライブが突然1~2台壊れても、システムそのものは継続して利用できる。
ただそのまま放置すると、壊れたドライブが増えていった時に対応できない。したがってドライブが壊れた場合には、以下の手順で復旧させることになる。
論理的に切り離し(これはRAIDコントローラーが自動で行なう)
↓
エンジニアが壊れたドライブを交換
↓
論理的に接続してリビルド(これもRAIDコントローラーが自動で行なう)
このためにいちいちシステムを落としていたら利用者からクレームが出る。そこで通電状態でドライブを交換できるホットスワップの機能が強く求められるわけだ。
もともとPCI Expressでは、Version 1.0の時点からホットスワップの機能が定義されている。ただ通常のカードタイプでは物理的に難しいこともあって実装された例は少ないが、サーバー向け拡張カードの中にはこれに対応した専用のカード形状を利用してホットスワップを利用している例もある。
コンシューマー向けでは、もうすっかり廃れてしまったがExpressCardはやはりHot Plug/Unplugが可能だし、ストレージ向けでもSATA Expressは「規格上は」対応している。当然U.2ドライブはホットスワップに対応しており、NF1もこれに順ずる形だ。
一方のデュアルポートだが、これもサーバーの場合には求められる機能である。というのは壊れるのが必ずしもSSDとは限らず、RAIDコントローラーが死んでしまう場合もありえるからだ。
そこで下図のように、RAIDコントローラーも2枚入れて、片方が死んでも大丈夫という構成にするケースは少なくない。これなら片方のRAIDコントローラーが突然死んでも、生き残ったほうで処理を継続できるからだ。
ただそのためには、SSDが2つのRAIDコントローラーと同時に接続できるようにする必要がある。U.2ではこの配慮があり、シングルポートではPCIe x4接続だが、デュアルポートだと2×PCIe x2という構成で利用可能である。NF1もこれをサポートしており、シングルポートとデュアルポートの両方の動作が可能となっている。
ちなみにこれを実際にどう取り付けるかであるが、やはりSSDそのままだと着脱時に不安が残る。そこでヒートシンク兼用である専用シャーシに納める形で利用することになる。
画像の出典は、Flash Memory Summit 2017におけるSamsungのDavid Wang博士の“Next Generation Small Form Factor (NGSFF) SSD Proposal”
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