スマホがPCに取って代わることはない
「たとえば企業のなかに一歩足を踏み入れると、『スマートフォンは手元にあり、PCは使われていない』という状況ではなく、『スマートフォンは手元にあり、PCも手元にある』という環境にある。多くの人がPCは終わるという見方をしていたことが、この誤解が、私たちに絶好のビジネスチャンスを与えてくれた。実際に起きていることと、実際に人々が考えていることとの間に相違が生まれ、そこにビジネスチャンスがある。多くの人が考えているのは、『多くの仕事はスマートフォンでこと足りるだろう』ということ。しかし、実際の顧客の多くは『スマートフォンは好きだが、PCを捨てることはできない』と考えている。PCでなくてはできない仕事がある。つまり、PCかスマホか、という話ではなく、どちらも必要であるということ」と話す。
そして、デル会長兼CEOは、こんな比喩を述べる。
「移動手段には、歩行、自転車、車、飛行機、ボート、カヤック、そしてグライダーなどがある。コンピューティングもこれと同じ。PCだけでなく、スマートフォン、タブレット、ウェアラブル端末など、様々なものがある。そして自転車を持っているから、クルマを所有してはいけないというわけではない。飛行機を持っていたとしても、歩くことはやめない。あなたが靴を手に入れたときに、『私は二度とボートには乗りません。なぜなら、靴があるからです』などということはありえない。移動の手段ということを考えれば当然のこと。コンピューティングも、『手段』としてとらえれば同じことです。スマホを所持しているから、PCやウェアラブル端末を所持しないというということではない。複数を持ち合わせていることが大切である。だからこそ、PCの成長にはまだまだ可能性がある」
だが、その一方で、デル会長兼CEOは、スマホ市場への参入には、まったく興味を示さない。
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