今回はAMD GPUのロードマップアップデートである。
Radeon RX 480が発売
470と460も7月中に投入
6月29日にRadeon RX 480が販売開始された。深夜販売も行なわれ、発売開始から4日たった7月3日ですらまだAmazonには在庫があるあたり、複数筋から聞いていた「供給は潤沢」という話は嘘ではないようだ。
性能などは先の加藤勝明氏のレビューをお読みいただきたいが、筆者の試した結果も大体同じで、GeForce GTX 970を上回る性能を主要なアプリケーションで達成しており、いくつかのテストではGeForce GTX 980に匹敵している。
しかもより低消費電力かつ安価、というおまけ付きであり、絶対ピーク性能そのものはそう高いものではない(GeForce GTX 1070との比較で言えば完敗である。もっとも価格差は2倍だが)が、コストパフォーマンスはかなり良好な製品である。
これに続く製品としてAMDはすでにRadeon RX 470とRX 460を発表している。部分的に仕様も公開されており、RX 460は16CU構成となるPolaris 11コアを採用。ただしこのうち14CUのみを有効とした形で製品出荷される予定だ。
RX 460の性能は2TFlops以上とされているところから動作周波数は1.1GHz程度になると思われる。RX470は同様に4TFlops以上の性能とされているところから1GHz程度の動作周波数になるものと思われる。
価格および登場時期はまだ明確にされていないが、価格に関してはRadeon RX 480ですら199ドル(日本での現時点の価格は3万強)なので、RX 470(明確にはされていないが、GeForce GTX 960あたりが性能面での競合製品になりそうだ)149~169ドルあたり、日本での価格も2.5万円を切るあたりになりそうだ。
Radeon RX 460は119~129ドルあたり、日本での価格は2万をきるあたりにポジションされるのではないかと思われる。一方の登場時期であるが、今月末までには出荷開始されそうである。
不思議なのがPolaris 11コアは本来16CUなのに、Radeon RX 460が14CU構成で出荷されていることだ。歩留まり向上といった説明がなされる場合もあるが、36CUのPolaris 10コアが232mm2なので、16CUのPolaris 11は110~120mm2程度に収まる計算になる。
これはやや大きめのスマートフォン向けSoCと大差ない大きさ(たとえばアップルのA9は、Samsungを利用した場合が96mm2、TSMCを利用した場合が104.5mm2)であり、歩留まり云々を議論する必要があるほどの大きさではない。
このダイサイズで歩留まりの問題が出るのであれば、より大きなPolaris 10コアにはもっと深刻な影響が出るはずだからだ。
どちらかといえば製品の差別化に向けたマージン、もしくは補助電源なしで利用できる75Wの枠内に収めるために2CUを無効化するといったTDP制限の可能性の方が高い。
したがって、将来たとえば8GHz GDDR5と組み合わせる形で16CUのモデルがRadeon RX 465という名称で追加投入されても不思議ではない。ただその場合はやはり補助電源コネクターが必要になると思われる。
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