年末商戦に向けて、『MST-NK』を強化
シャープは「MST-NK」と呼ぶ活動を強化する。
MST-NKは「見て」「触って」「体験して」「納得して」「買ってもらう」という言葉をローマ字表記して頭文字を取ったものだが、これはAQUOSだけに留まらず、ヘルシオやプラズマクラスターイオンなどすべての製品において展開する。製品を直接見て、触れて、体験してもらうことで、購入へとつなげる考えだ。
ヘルシオシリーズでは「ヘルシオ=健康」のイメージを徹底的に訴求する方針を打ち出し、主力となるオーブンレンジのヘルシオのほか、ヘルシオジュースプレッソ、ヘルシオ炊飯器、ヘルシオお茶プレッソ、そしてヘルシオ ホットクックによる製品群として提案する。
なかでも11月5日に発売したヘルシオ ホットクックは、計画値の1.6倍の増産体制を敷いているという人気ぶり。水や火を使わずに、健康に配慮した調理が可能な「電気無水鍋」という新たな調理家電機器を提案し、その浸透に力を注ぐ。
プラズマクラスターイオンでは、これまでのリビングを中心とした提案だけに留まらず「おウチまるごとプラズマクラスター」の提案を加速させる。
トイレの電球金具に取り付ける天井設置型プラズマクラスターイオン発生機の後継機を発売するとともに、新たに2畳用の製品を用意。玄関などにも設置できるようにしたほか、デザイン性を重視して、寝室などにも設置できるようにしたプラズマクラスターイオン搭載空気清浄機「S-style」を投入。「これまでは一家に一台の提案だったが、トイレ、玄関など一部屋に一台の提案も行なっていくことになる。さらには、クルマでの活用などの提案も行なう」(宮永社長)とする。
空気清浄機はここ数年、世帯普及率が40%台で足踏みし、新たな市場を開拓できていないという反省がある。一部屋に一台の提案は、新たな需要層の開拓という点でも重要な意味を持つと考えている。
「シャープは今年10月からカンパニー制を導入しており、商品、サービス、ソリューションを一体化させ、グループの総合力を生かした営業活動ができるようになった。エネルギーソリューションやビジネスソリューションとの連携も進めたい」と宮永社長。年末商戦に向けても積極的な提案を行なっていく考えだ。
![](/img/blank.gif)
この連載の記事
-
第595回
ビジネス
DX銘柄2024発表、進行する日本のDX、しかし米国よりもここが足りない!! -
第594回
ビジネス
自動車工業会は、今年もJapan Mobility Showを開催、前身は東京モーターショー -
第593回
ビジネス
赤字が続くJDI、頼みの綱は次世代有機EL「eLEAP」、ついに量産へ -
第592回
ビジネス
まずは現場を知ること、人事部門出身の社長が続くダイキン -
第591回
ビジネス
シャープが堺のディスプレーパネル生産を停止、2期連続の赤字受け -
第590回
ビジネス
生成AIに3000億円投資の日立、成長機会なのか? -
第589回
ビジネス
三菱電機が標ぼうする「サステナビリティ経営」、トレードオフからトレードオンへ -
第588回
ビジネス
富士通の子会社でDX専門のコンサルティングをするRidgelinez -
第587回
ビジネス
メーカー自身が認定し、工場検査後に販売するパナソニックの中古家電 -
第586回
ビジネス
マイクロソフト、日本への4400億円のAI/データセンター投資の実際 -
第585回
ビジネス
日本市場の重要性を改めて認識する米国企業、変革期にある製造業がカギ - この連載の一覧へ