もう新しいデザインのPCは出てこないだろう、と思っている読者に言いたい。模倣品ばかりと言われがちな中国から、ときどき斬新なPCが出てくることを……。
最近になり、中国のタブレットメーカー「PIPO」からひっそりとリリースされた新しいカタチのPCを今回は紹介したい。
タブレットの最大の不満点は拡張性だろう。使ってみて「フルサイズのUSB端子がいくつもあれば」「LANコネクターがあれば」などと思ったことはあると思う。
この対処法として「なければ作れ」とばかりにUSBコネクターを増設する(関連記事)手もあるが、最初からあるに越したことはない。
そこで、PIPOは各種インターフェースを小型ベアボーンPCのように詰め込み、さらに中国人受けしやすいようにスピーカーを左右に配した上で、机上でのタッチパネルの操作がしやすいように傾斜をつけた。
横から見れば台形の斬新な形のPCを同社は「盒式平板電脳(箱型タブレットPC)」と呼んでいる。
タブレットにあらゆるものを詰め込んだ台形PC
PIPOの盒式平板電脳は、ディスプレーが7インチ(1280×800)タッチパネルの「X8」と、8.9インチ(1920×1200)タッチパネルの「X9」がラインナップされている。
現在は7インチ、ないしは8.9インチタブレットの多くがそうであるように、CPUにはAtom(BayTrail-T)Z3736Fを、ストレージには32GBないし64GBのeMMCを、メモリーに2GBメモリーを採用している。
気になるインターフェース類は、USBコネクター×4、LANコネクター、microSDカードスロット、HDMIコネクターとなっている。
アンテナが特徴的だが、ワイヤレス機能は無線LAN(IEEE 802.11b/g/n)とBluetooth 4.0をサポート。サイズと重さはX8が幅178×奥行き118×高さ50mmで424g、X9が幅217×奥行き147.5×高さ60mmで630gと持ち運べるサイズ。
中国のサイトに上がっている分解写真を見ると、中にかなり空間があるが、なぜかバッテリーは内蔵しておらず、ものすごくもったいない。
中華タブレットの多くが、WindowsとAndroidをデュアルインストールしているように、X8・X9両製品ともWindows 10とAndroid 4.4がインストールされている。
また「ディスプレーが9インチ以下の機器に搭載されるWindowsは無料」というルールを利用して、正規Windowsをプリインストールし低価格を実現。販売値段はX8が600元弱(約1万1400円)、X9が700元程度(約1万3300円)となっている。
(次ページに続く、「簡易写真印刷屋を開業できちゃう!?」)
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